エス・フレーム工房     ヒマで興味のある方向きのページです

保存額装材料


保存額装用の安全材料について
22年6月6日
特種製紙の額装用紙
国内の美術館・博物館で使用されてい る額装用紙、各種在庫してます。
額縁の中で長期にわたり保存される場合は必需品です。残念ながら、永久に使える用紙では有りません。アメリカ製のベンブリッジを取り扱う、ラーソン・ジュール・ニッポン鰍フO氏も7〜8年で再額装(リ・フレーム)をお薦めしてます。
チョイスして使用しても効果が有ります。ご相談承ります。


 ピュアマット 1.7ミリ & 2.5ミリ クリーム
コットン50%中性紙マット
マットは作品を引き立て観賞し易くするだけでなく、作品を保護する事も必要です。ピュアマットは他社製品に比較し、防カビ性・耐光性に優れ、汚染ガスも吸着します。観賞する時の入射光も拡散してくれますので目に優しく作品が見やすく、長期間にわたり酸・アルカリに耐えられる優れものです。但し、長期間の使用後に酸性化が認められました。再額装(リ・フレーム)が将来、必要です。
又、他社製品に比較し少々値段が高く、カラーも限られます。
需要の多い1100×825_クリーム、1,7&2,5のみ在庫しています。

※ バリヤーペーパー AFプロテクト90g/u
額縁の裏板に使用される事の多い合板・MDF等から発生する強い酸性の物質から、貴重な作品を保護する目的の為、開発されたバリヤーペパーです。
弱アルカリ性の特殊紙が強酸性のガスを吸収してくれます。但し年1回位の交換をお願いします。

※ 調湿紙 SHCペーパー100g/u  品切れとなりました
外気の温度変化に伴う額縁内部の湿度調整の為、開発された特殊な中性紙です。紙の中に調湿材 (湿度に対し敏感な無機紛体) を抄き込み、素早く吸湿または放湿を行い額縁内部の相対湿度を安定させます。大気汚染物質である硫化水素・トリメチルアミン・アンモニア・ホルムアルデヒト等のガスも吸着してくれます。しかし、交換が必要です。交換時期は、使用環境により異なります。
申し訳ございません、メーカーにて廃番、品切れとなりました。

※ ダンボール  アーカイバルボード グレー3ミリ・2ミリ
保存箱や額縁の裏板用に製造されたダンボールです。額縁の中での厚み調整にお奨めしてます。クラフトダンボールに比較し高価と言えますが弱アルカリ性の特殊ダンボールは保存額装に適しています。

特種製紙のバリヤーペーパー・調湿紙は特殊な性能が有りますので、油絵額縁・日本画額縁にも使用のお奨めをしています。
バリヤーペーパーのAFプロテクト及び調湿紙SHCペーパーをインターネット販売、始めました。詳しくは商品一覧ページよりご覧下さい。ピュアマット及びアーカイバルボードはお近くの専門店でお問い合わせ下さい。取り扱い無く、お困りの場合は別途対応します。

当店は額縁額装専門店
残念ながら画材は一切、取り扱いしておりません。


保存額装について つづき

現時点で当店で取り扱いる、規格額縁・オリジナル縁額は、保存額装仕様にはなっておりません。理由は簡単で高価格になってしまう為です。

当店では、現在お客様の持参された作品を拝見させていただき、必要と判断した場合、提案させて頂いています。

当店のオリジナル縁額に使用しています材料・額装資材は全て国内で問屋・メーカー等より調達した物だけですが、原産国・製造工程・使用材料等々、残念ながら一切の確認が出来ません。

国産品の規格品額縁はそれなりだと思いますが、店頭で多くを占める、輸入額縁の中にははどう見てもヤバイ品も結構有ります。
輸入品の一部のヤバイ額縁は低価格で販売出来る仕入れ値で入荷しますし、日本のデザインを、パクリで製造したりして、見た目は良いのですね。
ヤバイ場合は、調湿紙の入替え・バリヤペーパーのセット対応をしてはいますが、それでも安心及び保証は一切出来ない現状です。

尚、防虫性に優れた無垢チーク材額縁及び、ラーソン・ジュール・ニッポン(株)が輸入販売しています、保存に優れたベンブリッジボード・アートケアボード類・額装用テープ等の資材及び、保存額装用として開発・製造されたアンチエイジング額縁は、お奨め商品です。
当店でも安心して、一部取り扱いし使用もしています。

高くてデザイン・機能に優れた額縁はたくさん有りますが、安くて良い額縁は、なかなか有りません。
これが現在の状況です。




特種製紙さんとの出会い

当店で取り扱いしています特種製紙さん製品との出会いは、焼津市内在住のN氏が来店されて、賞状用額縁をお買い求めいただきました事が始まりでした。
同社にお勤めで、保存額装について話されたのが9年程前です。

当時の私には、保存額装に対する知識も少なく、興味も湧かない普通の額縁屋でした。
何度か来店され、お話を聞くにつれ、どこにでも居るオジサンに見えるのですが、実は驚きの紙に対する博識の有る方で、紙の神様と申し上げても良い方でした。

特種製紙株式会社で、研究・開発の「総責任者」として国立美術館の依頼により、輸入品のベンブリッジ以上のマットを作られ、当然ながら、バリヤーペーパーや調湿紙もN氏が中心となり開発された特殊な紙の一つなのです。
N氏は、紙業界では著名な方でして、美術館の学芸員や大学の先生方などに講演を何度もされている、すごいオジサンです。

これは重要な事と気づき、当店も加盟しています SAFA(静岡県アートフレーマーズ協会)メンバーと共に、同社の三島工場で、生産ラインの見学・講習を受け、知識を身に付けその後、取り扱いを始めた次第です。
紙の生産ラインを見たのは、初めてでした。

尚、特種製紙株式会社は特別な種で特殊な紙を製造している会社。新聞紙やトイレットペーパー等は、作っていません。
付加価値のある紙を作ってます。
しかし皆さんは、同社の紙を知らずに必ず使っていますョ!!!

追記  N氏は平成20年春に、長年のテーマでありました「劣化を抑制する保存用紙」が評価され黄綬褒章を受賞されました。
おめでとうございます。
どう見ても、どこにでも居るオジサンに見えるのですが・・・