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第六話  ドルフィンズの主砲







ベンチに着くなり、蔵田はドカッとベンチに腰掛けた。
普段の蔵田ならば、こんな様子はありえない。だが、キラーズ戦。まして野球場がここだとこうなってしまうのも仕方がない。
蔵田は、相手ベンチに居る“あいつ”をにらみつけた。
蔵田:「猿鳶・・・お前を本当は、ぶっ潰してやりたかったけどな・・・オレのキラースライダーで・・・」













ドルフィンズの攻撃。バッターは、4番打者のバラン=リチャードだ。
バラン:「(アンダースロー・・・相手ピッチャーは変化球も切れるらしいな・・・)」
バランは日本語がわからない。だが、今必死に勉強中の男である。
教師は・・・語尾のおかしいおしゃべりなマルコ=カールズだが・・・。
バラン:「お願いしまっす!!」
ここだけ日本語。まるで高校球児のような誠実な態度。だが、彼は打席に入るなり、全身の筋肉をフルに活用し始めた。
バラン:「(カモン・・・ジョーベ!)」
その鬼のような形相から放たれる威圧感。
熟練の条辺でも、それには冷や汗をかくほどだった。
条辺:「(いやな相手だな・・・。こういうパワーヒッター相手じゃ、オレのボールなんてピンポン球よ・・・)」
工藤:「(心配要りませんよ。さ、まずはこいつで・・・)」
工藤はサインを出すと、そっと外角に寄った。
まずは外にはずして、様子見ということである。
だが、バランの鬼の眼はその工藤の些細な仕草を見逃しはしなかった。
バラン:「(様子見・・・?なかなかのチキン・ハートじゃないか・・・)」
条辺が外角低めにスライダーを投げる。
だが・・・







キィンッ!!!







打球は高々と舞い上がる。
バラン:「(少しずれたか・・・)」
バランは、打球を少し確認しただけで、放り投げたバットを回収した。
ボールは、どんどん右へと切れていく。ファールボールだ。
条辺:「(小細工は・・・通用しないのか・・・?)」
条辺は、送られたボールの縫い目を確かめながら、袖で汗を拭った。
修吾:「(すごいパワーだ・・・あの外人・・・)」








石原:「流石は、昨年の打点王・・・。そして惜しくも逃したが、本塁打王になれる力のある男・・・か」
石原は、腕を組みながらもしっかりとバランのスイングを見ていた。









バラン:「Come on!」
バランは気を吐く。その気が、また条辺を締め付ける。
条辺:「(くっ。何投げれば・・・)」
工藤はサインを出す。今の条辺は、それに従うしかない。
条辺は沈み込む。そして日本一低い場所からリリース!!
条辺:「(これでストライクが取れれば・・・楽になる!!)」






ボールはバランに対して、やや真ん中よりに入ってきた。一見してみれば失投だ。
バラン:「(ほぅ。その心意気・・・)」
だが、ボールはここから右打者のバランの懐へと食い込んでくる。
条辺の決め球、シンカーだ!
バラン:「(ぬっ!)」
わずかに出したバットがぶれる。だが、昨年50本以上の本塁打を放った異国の地の選手の力はこんなものではなかった。
バラン:「HAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
条辺には、バランのスイングが見えなかった・・・







キーン!!!!









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