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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第三十六話   ランナウェイズVSエンジェルス 第五旋律〜攻守逆転にて第二ラウンド〜







時雨:「若奈にミートさせないボールを・・・百パーで投げ込むだけだ!!」




古木のサインに2度首を振り、3度目のサインで頷いた時雨。
満足感溢れる顔をしている。
いつもは手を抜いている自分だが、真剣勝負ほどやはり楽しいものはない。
だからこそ勝ちたい。勝ちにこだわりたい・・・





オーバースローから振り下ろされたボールが、外角から真ん中よりに入ってくる。
若奈:「高速シュート!?」
一瞬反応が遅れた若奈だが、高校時代から変わらない天才的なミートでこれをカットする。
若奈:「キレが・・・増してる!?」
若奈は驚いたというような表情で、バックネットに突き刺さったボールをチラッと見ると、マウンドの男に目を戻した。




投球を追えた状態で、しっかりと時雨はボールの行方を見送ると、普通の体勢に戻り、古木から送られたボールをキャッチした。
時雨:「これで・・・2ストライク・・・追い込んだぜ・・・」
古木のサインに、今度は一発で頷き、ゆっくりと振りかぶる。
若奈も、振りかぶった時雨を見て、とにかくミートすることを心がけるようにタイミングを計る。


















時雨:「やっぱ・・・若奈と対戦できて・・・最高だよ!!」


















投げ終えた後の世界が、青く光った。
暗くなり始めた夜空だが、真昼の青空が時雨の目には映るようだった。



















閃光・・・それから角度をつけて曲がるボール。
若奈の出したバットの起動をするりとボールは外角にすり抜けていく。
初球と同じ、高速スライダー。
時雨 渉が、野球を始めた頃から磨いてきた、自分自身といっていいほどのウィニングショット。
そのボールを使って、今、目の前のライバルを打ち取った。


















時雨:「第一ラウンドは・・・オレの勝ちみたいだな・・・」


















審判:「ストライク!バッターアウト!!」


















三振を喫した若奈は、少しだけホームベースにかぶっていた土を払うと、かぶっていたエンジェルスのピンクのヘルメットを取りベンチに戻った。
若奈:「ごめ〜ん。三振しちゃった」
ぺろりと無邪気に舌を出す若奈。
それを、ドンマイと励ましの声をかけて、「守備集中していこう!」と士気を高めるナインと控えの選手たち。
エンジェルスのムードは、常に前向きになりつつあった。
それもこれも、開幕スタートダッシュを決めた成果でもある、と監督のあおいは考えていた。
あおい:「(こんなにいい形で今首位にいる。貯金をもう少しためて、優勝に近づきたいな・・・)」
マウンドへと小走りで行く若奈を見送ると、壁にもたれる。
ふぅと息をついて天井を見上げる。
あの男の顔が、脳裏に浮かぶ・・・


















??:「早川・・・もし、僕がライジングキャノンより更に高みのボールを投げたときは・・・」


















あおい:「(結局・・・投げてくれなかったね・・・)」
淋しそうな顔をする。
しかし、ふるふると愛らしく首をふると、自分の選手たちが戦っている姿を焼き付けるためにグラウンドに目を戻した。


















マウンドの若奈。
今度は自分が時雨に全力投球をする番が来た。
先ほどの打席・・・。彼は自分に対してストレートを投げては来なかったが、気迫をぶつけてきた。
それは、自分のミート力の高さを誰よりも理解っているから。


















若奈:「第一ラウンド・・・か・・・」


















彼がマウンドを去るときに聞こえた小さな言葉を、想い返しつぶやいてみる。
若奈:「じゃぁ、第二ラウンドなんだね・・・渉・・・」
左バッターボックスで神主打法を取る彼を見ながら、若奈は理奈のサインに頷いた。



















時雨:「(コントロールがいいから・・・かなりコーナーを狙ってくるんじゃないのか・・・?)」
自分のように、そこそこのパワーがあるバッターに対しては、おそらく主砲の清川のような攻め方をしてくる。
このバッテリーならあり得る。
そう想い、ややバットを短く持つ。
直球待ちの姿勢だが、多少は不足するミート力もこれで少しだけ補える。
矢鱈滅多ら、バットを豪快に扇風機のように回すよりはシャープにスイングしたほうが利になる。


















時雨:「さぁ、勝負だぜ!!」


















時雨の神主打法が、若奈に威圧と最高の闘志を与える。
その意気込みに、若奈も同じくらいの気迫で応える。


















若奈:「もちろんよ!手を抜くことはありえない!全身全霊を込めるわ!!」


















まるでこの打席での勝負が優勝か否かの境目を決める天王山のようなムードが、18メートル近くの空間で漂う。
この二人は、本当に今、この瞬間、己のすべてをお互いに出しつくし、戦おうとしているのである。








時雨VS若奈・・・
今度は若奈が投げる立場で、対決が始まった・・・


















他球場の結果


キラーズ 2−0 フェニックス 4回裏

先発 条辺(K) 虻川(F)  竹内 修吾ベンチ入り。



チェリーズ 0−1 ドルフィンズ 5回表

先発 アルヒンテ(C) 浪野(D) 秋葉 和幸 2番センターで先発出場 2打数1安打1盗塁









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