パワプロについて
├パワプロとは何か?
├パワプロシリーズ検証
└登場人物紹介


掲示板
以下の掲示板は、左フレームのBBSのBBSメニューからもいけます。
パワプロ専用掲示板
連絡用掲示板


パワプロ小説
以下の小説は、左フレームのNOVELのメニューからもいけます。
果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第十二話  旧友との会話を・・・







修吾は、自分の携帯に電話をかけてきた男の名前を見て、驚愕した。
今までほとんど連絡の取れなかった男からの突然の電話。
これほどよすぎるモーニングコールはなかった。
とりあえず、携帯のディスプレイを開く。通話が始まった。




秋葉:「よう。久しぶり」
秋葉は、昔と変わらぬ口調で修吾に語りかける。
修吾:「お久。こんな朝っぱらから・・・何のつもりだ?」
秋葉に静かに・・・少し警戒心をこめながら言う修吾。
秋葉:「蔵田さんが2軍行きになったのは、お前も知ってるだろ?」
修吾:「あぁ。スポーツ新聞に小さく載ってた」
数日前に眼にしたスポーツ新聞の記事を思い出す修吾。確かに蔵田の2軍行きが報道されていた。
秋葉:「オレが言いたいのはそんなことじゃない」
秋葉は少し怒鳴るような形で修吾に言った。






秋葉:「明日は・・・理緒の月命日だぞ・・・」






修吾:「やめろ!オレは・・・」
秋葉:「和道にも連絡はしておいた。ちょうどお前、東京だろ?」
修吾:「・・・あぁ。フェニックス戦だ」
秋葉:「いいから、顔だけでも出してやれ・・・。命日の10月6日までは、後半年ある・・・。オフシーズンには、行くつもりだよな」
修吾:「・・・あぁ・・・」
修吾は、少しためらいながらも小さく返事を返した。
秋葉:「そうか・・・。それならよかった・・・」
秋葉は、少しほっとしたため息をついた。修吾は、眼を瞑りながら言った。
修吾:「もういいか?明日は、監督に許可をもらってから行く。無理ならいけない」







秋葉:「・・・理緒の“アレ”・・・なんでみんな気がつかな・・・」







修吾:「やめてくれ!!」








秋葉が言いかけた言葉を、修吾の怒鳴り声が妨げた。
修吾にとって、そのことだけは一番想い出したくないし、語りたくもないこと・・・
秋葉:「・・・すまん。一番ショックなのは・・・修吾、お前なんだよな・・・」
修吾:「和幸、頼む。理緒のことを、少しだけ忘れさせてくれ・・・。ナイターあるんだ・・・。集中できない」
秋葉:「・・・そうか。だけど、明日はこいよ・・・じゃっ・・・」
そういって秋葉は電話を切った。
冷たい電子音が、携帯から鼓膜を伝って鳴り響く。
修吾は、閉じていた眼をゆっくり開いた。






理緒:「修吾・・・」






修吾:「理緒・・・」
理緒を想うと、なぜこんなにも切なくなるのか・・・。
修吾は、携帯をベッドの脇に置くと、まぶたに両手を当てて、こぼれる涙を隠した。










フェニックスのホーム球場にキラーズの選手たちが踏み入る。
そしてロッカールームへと選手たちは直行した。
監督:「とにもかくにも、3試合を消化した時点でわれわれが1位だ。気を引き締めていくように!」
全員:「はい!」
監督:「とりあえず、先発メンバーは開幕とは変えん。先発は川口!」
川口:「はい」
監督:「それでは各自、試合までは練習、あるいはミーティングなどで体と頭を鍛えておくように。解散」
監督の一声で解散がかかる。
ボーっとしている修吾の下に、珂日が声をかけてきた。
珂日:「おぅい、修吾。軽く走ってこようぜ。俺ら、練習できると想うし」
修吾:「・・・そうっすね」
修吾の覇気のない答えに、珂日は何かあったのか、とたずねた。
だが、修吾は「別に・・・」とそっけない答えをした。
珂日は、修吾のロッカーに立てかけてあった写真を手に取った。
珂日:「高校野球の奴か。へぇ、お前流紋だったのか」
修吾:「はい・・・一応・・・」
珂日:「流紋は東東京地区の強豪だからな〜。ん、隣の女の子・・・もしかして、彼女?」
修吾:「元・・・です・・・」
珂日は、修吾の答え方に疑問を持ち、これ以上首を突っ込まないほうが言いと思い、写真を元の場所に戻した。
珂日:「何があったか知らんが、後数時間もすれば俺たちは戦いに行くんだ。気持ちがそんなんじゃ、足元すくわれるぞ」
修吾:「わかってますよ・・・」
修吾は、ファーストミットを持って、グラウンドへと向かった。









次へ    果て無き夢へTOPへ