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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第一話  開幕の朝







朝目覚めると、陽の光が差し込んでいた。
小鳥のさえずりもどこからか穏やかに聞こえてくる。
しかし、枕元は零した涙でぬれていた。







修吾は目覚める。
そして、自分のほほを手でなぞる。
またあの夢を見た。哀しすぎる夢を見た。
理緒が、理緒が自分の元から離れていってしまう夢を。
何度も、何度も。心の中で願っても、理緒は心の中から消えない。
そして、理緒の死という現実も、修吾の心の中からは消えない。
ふと、目覚まし時計に目を移すと午前7時だった。
寮の食堂へ向かう修吾。急いで髪型をセットして、朝食を食べに向かう。







すみお:「おはよう、修吾君」
食堂へ向かう途中、掃除をしている寮長のすみおとすれ違った。
修吾:「すみおさん・・・。おはようございます」
すみお:「いよいよ、開幕だね」
修吾:「はい。何とか1軍に残れて、うれしい限りです」
キラーズの1軍の発表が、オープン戦ラストで行われていた。
修吾、仲嶋、大西はもちろんのこと、珂日も1軍入りを果たしていた。
その日の珂日は大はしゃぎだった。初めての開幕一軍入りだからだろうか。
しかし、新庄の足の怪我が悪化ということで、結果を残さなければ苦しい立場にあることに変わりは無い。
カイザース戦で倒れた高井も順調に回復し、心臓の検査も定期的に行っている。
逆に2軍に落ちた安は、ひたすら打ち込むことを決意した。
過去の自分と決別するために。
そして、開幕は久里浜朝倉ドルフィンズと決まった。
猿鳶:「(蔵田、キミとようやく戦うことができる。立場は違えど、キラーズは強い・・・)」
猿鳶はぎゅっと胸を握り締める。







寮の食堂に着いた修吾は、トレイに食事のメニューをのせて、食べる場所を探す。
すると、仲嶋と珂日、そして大西が修吾の名前を呼んだ。
仲嶋:「修吾!こっちこっち」
修吾は目で合図をすると、彼らの元へ向かった。
修吾:「はやいですね」
珂日:「早起きは何とやらの得って言うしな」
大西:「3文の得」
いつもの調子を出しながら、修吾も食事にありつく。
大西:「今日の先発、蔵田さんだって」
仲嶋:「ふーん。あのおっさんピッチャーね」
修吾:「(蔵田さん・・・猿鳶コーチが言っていた、あの人か・・・)」
そんな会話を交えていると、突然、大西のケータイの着メロが鳴った。
大西:「あ、メール・・・」
大西はポケットからケータイを取り出すと、すぐさまメールを読む。
大西:「(今日は開幕だね。お互いがんばりましょう・・・か)」
珂日:「誰ですか、ミユって」
大西:「おい!勝手に覗くなよ・・・」
大西宛に届いたメールを、首を伸ばして見た珂日。大西は少しあわてている。
仲嶋:「ミユちゃんねぇ。ふーん」
修吾:「春ですね」
大西:「う、うるさいな・・・それより、飯、飯〜!!」
大西は顔を真っ赤にしながら、そのケータイを大事そうに閉じた。









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