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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第七話  プライド







仲嶋がふぅと小さく息を吐く。
先ほど、珂日からの伝達で三振しろといわれた。
自分のプライドは許さない。しかし、上からの命となれば従うに他ならない。
このオープン戦はテストだ。生き残るためには、自分の組の監督の作戦に従わなくてはならない。
どんな屈辱的なことでも、どんな恥さらしにも・・・
仲嶋は耐えた。そして、久遠へと向きなおす。
久遠は、帽子のつばを、少し動かし、キャッチャーのサインを見やすくしているようだった。
そして久遠は、サイドスローから球を投げる。
鋭角線に切り込んでくる切れ味の鋭いスライダー。
が、しかしキレがよすぎて仲嶋の体を危うく掠めるくらいのコースをボールは通過した。
仲嶋:「(まずは度胸試しか?)」
仲嶋は勝負することはできない。三振しなくてはならないのだ。
だが、打つ気がないのがばれてしまってはお終いだ。とりあえず、自分なりに必死になって演技をする。
知らぬ間に、冷や汗が吹き出ていた。








江成:「ふふふ。マジで三振してくれそう、あいつ」
安:「そうだな。これで俺たちの株は下がるが、やつのせいにすればいい・・・」
横目で安は猿鳶を見た。猿鳶は鈍感なのか、安に見られていることに全く気づいていないようだった。
珂日:「これでOK。後は、その後の補習で何とかすればいいっしょ」
楽天的なベンチだ。
しかし、バッターボックスでは仲嶋が一人奮闘しているというのに・・・。
この空気の悪さに、修吾は胸が張り裂けそうだった。





修吾:「(なんてこった・・・。常勝といわれているチームも、こんなものなのか・・・)」





第二球目は、カウントを平等にするために、ややボール気味の外角のストレートに仲嶋は手を出した。
ファールチップで、カウント1ストライク1ボール。
もっとも、三振するのだから、後の2球を適当に振っておけばいい。
しかし、観客席に目を移す。監督がいる。
自分は新人王を獲得した。もちろん、今年も開幕一軍は奪取しないといけない。
そのプライドと、さっきの言葉が、彼の胸を締め付ける。
仲嶋:「(畜生!好きなようにやりてー!)」
第三球目。久遠はど真ん中にボールを投げてきた。
仲嶋:「俺は・・・」
仲嶋は無意識にバットをスイングしていた。本来の彼の鋭い、まさに獅子のようなスイング!
仲嶋:「俺は三振なんてしたくない!!」
ボールはスライダーだったが、変化するのが遅かったのか、ジャストミートされていた。
高々とボールは天へと舞い上がり、そして美しい放物線を描いてバックスクリーンに豪快な音を立てて飛び込んだ。








修吾:「先頭打者・・・ホームラン・・・」








圧倒的なパワーと、それを的確に射抜いたコントロール。
修吾は、プロの技に魅了されていた。




しかし、横にはニヤニヤと不敵な笑みを浮かべる反逆者たちが、次の策を練っていた。









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