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果て無き夢へ
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第六話  横暴






B組の先頭打者は、林。俊足に定評がある、キラーズの二塁手だ。
林:「よし。まずはここで、観客席の監督にアピールだ!」
彼は、同じく二塁手の川相と、毎回二塁手のレギュラー争いを繰り広げている、結果は、林の2勝1敗。やや、リードである。
先発投手の高井は、キャッチャー工藤のサインにうなずき、球を投げる。
すると林は、意表をつくようにしてバントの構えを見せた。
しかし、林は何を考えたか、バットを引いた。
審判:「ストライク!」
判定はストライクだ。揺さぶりをかけるつもりなのかわからないが、高井は疑問に思った。
そして、二球目。同じコースにボールが来る。林はそれを、やや引張り気味で打った。
打球は、ファーストの安に襲い掛かる。
高井:「安、取れるぞ!」
しかし、安は動こうとはせずに、鼻をほじくりながらボールを見送った。
結果はファール。だが、高井は安の行動を疑問に思っている。
高井:「いつもだったら、処理に向かっているはずなのに・・・。なぜ?」
そして、林は、苦笑いを浮かべた。
林:「A組は相当チームワークが悪いみたいだな・・・」
あっけなく見逃し三振。だが、収穫のある三振だった。
川崎:「どうだった?あっちの状況は?」
大西:「俺もすごく聞きたいな!やっぱ、情報あるものが勝利するっしょ!」
2人に押されがちながらも、林は口を開き、A組のチームワークの悪さを伝えた。
川崎:「変だな。公式戦じゃ、安はあのボールを取っているはずだ。いくらあいつが守備が下手といえど、あの程度のイージーゴロなら捌けるだろう」
大西:「チームメンバーじゃないと思うな・・・原因は」
冷静にベンチを見ている大西が、川崎の独り言を止める。
大西:「先発投手。このチームの実力を知っているならば、当然、条辺か江成だ。それは、みんなも同じだろ?」
B組のメンバーは、うんうんとうなずく。それもそのはずである。
条辺は、江成が入団する前のエースピッチャー。そして江成は、155キロオーバーのストレートを投げ込む、今のエース。
対する高井は、コントロールと変化球で勝負する技巧派。ただ、彼は、体に爆弾を持っている。
その爆弾を考慮して、公式戦では石原監督は高井を中6日という、長い休暇を与えているのだ。
大西:「仲間割れの原因は、コーチにある」
ずばり大西は、正解を言い切った。



2番打者の廣瀬は、左中間にボールを飛ばした。
だが、センターの仲嶋はボールを追うが、レフトの木村は追うそぶりすら見せず、腕組をしているだけである。
結局、ボールはフェンスまで転がり、その間に、廣瀬は俊足を飛ばして三塁へたどり着いた。
これで、1死3塁。
体に爆弾を持つ高井にとって、1死3塁というピンチは、爆弾が破裂しかねない。
誰もがそう思うが、彼もアメリカ留学をし、精密機械のようなコントロールを会得した男だ。
マウンド度胸は、心得ている。
後続を、見事に打ち取り、この回を切り抜けた。
だが、高井の額からは、大量の汗が流れ出ていた。
猿鳶:「大丈夫か?」
高井:「うん。なんとかな、豊・・・」
タオルで汗をぬぐうと、高井はトップバッターの仲嶋に声援を送った。
と、そこへ珂日が飛び出していく。
珂日:「仲嶋!」
仲嶋:「なんですか、珂日さん?」 その後、珂日は信じられない言葉を発した。








珂日:「三振しろ!」










仲嶋:「ぇ?」
珂日:「三振しろ。それが、コーチの命令だ・・・」
もちろん、この命は安や江成、木村など、猿鳶のやり方に不満を持ったA組の選手の指令だ。
決して、猿鳶はこんな指示は出していない。
珂日:「ま、様子見ってことじゃないの?お前、相手チームの先発の久遠の状態を調べてこいよ!」
仲嶋:「三振は気に入らないけれど・・・。わかりました」
しぶしぶ、仲嶋はうなずいた。縦軸社会の世界では、先輩の言うことには逆らえない。
ベンチに戻った珂日は、安や江成たちと一緒に、ニヤニヤと笑って見せた。
それを、冷ややかな目で修吾は見ていた。





修吾:「違う!こんなのは違う!」










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