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第五話  雰囲気






高井:「全員集合!!」
A組では、チームリーダーの高井が声をかけて、メンバーを集合させる。
高井:「これから、A対Bの紅白戦が行われる。オーダーは、猿鳶コーチから発表があるので、よく聞いてほしい」
すると、猿鳶が一歩前に出てくる。
猿鳶:「じゃっ、読み上げます」
そういうと、猿鳶は白い紙を取り出して、そこに書かれていることを読み上げた。
猿鳶:「1番 センター 仲嶋
    2番 セカンド 川相
    3番 サード 竹内
    4番 ファースト 安
    5番 ライト 斉藤
    6番 レフト 木村
    7番 ショート 新庄
    8番 キャッチャー 工藤
    9番 ピッチャー 高井」
メンバーは、そのオーダーを聞くと、すぐに散った。
あまり、猿鳶の話には関心を持っていないようだった。
安:「同僚ばかりひいきして・・・。あんなのは、悪寒が走るネ」
江成:「何でエースのオレが先発じゃないわけ?ま、信頼している人を採るならそれでいいけれどさ」
珂日:「オレなんて守備練習にもまともに混ぜてもらえないし。やっぱり、猿鳶コーチはひいきしているよ」
木村:「ボイコットしない?コーチなんて、評判悪ければすぐに交代できるって」
川相:「いくらなんでも・・・。あ、そろそろ試合じゃない?」
安:「今は、“アピール”だけに集中するネ。計画は、その後でも練れるョ」
その光景を、仲嶋と修吾は一歩、離れた位置から見ている。
仲嶋:「やっぱな。あのコーチは、何かと同僚びいきなんだよね」
修吾:「仲嶋さんも、そう思うんですか?」
仲嶋:「普通だったら、チームリーダーは斉藤さんか、条辺さんがやるもんなんだよ。あの二人と、川崎さんと大西さんは人望が厚いから。適格者ってやつ」
修吾:「そうなんですか。高井さんも、見た目はしっかりしていますよ」
仲嶋:「あの人は、金遣いが荒いことで有名なんだよ。借金も、年棒以上って噂」
修吾:「年棒以上!?高井さんの念棒って・・・」
仲嶋:「1億2千万」
修吾:「1億円以上の負債!!??」
仲嶋:「そういうこと。だから、あまり高井さんは評判がよくないんだ。野球の実力は認められてるけど」
仲嶋は、腕時計に目を落とした。
試合開始時刻まで、もう30分とない。
仲嶋:「急ごう。このままじゃメンバーが足りなくて失格だ」
修吾:「は、はい!」
修吾は、駆け出した仲嶋についていった。しかし、猿鳶に対する不信感は、かなり強まっていた・・・





なぜ、ここまでA組が猿鳶を軽蔑するようになったのか・・・。
それは、同僚の工藤や高井をかなり優遇し、それ以外のメンバーには、かなり冷たく当たっているのだった。
特に、珂日は守備練習にも混ぜてもらえず、毎回球広いか、トス役。実力など、発揮できない。
「こんなコーチといるのはいやだ!」
シーズンに入ったら、100%同僚びいきになる。そう考えた、A組の若手たち。
2年目の韓国からの助っ人安や、エースの座を勝ち取った江成は、不満でしょうがなかった。





修吾:「こんな状態で、試合なんてできるんだろうか・・・」






一方、B組でも同じように紅白戦のオーダーが発表された。先発は、サウスポーの久遠。
サイドスローから繰り出される、鋭角なスライダーが武器の、4年目の選手で、先発ローテの一角だ。
山江:「1番 セカンド 林
     2番 ライト 廣瀬
    3番 キャッチャー 田上
    4番 センター 大西
    5番 サード 川崎
    6番 ファースト 水城
    7番 ショート 小坂
    8番 レフト 藍沢
以上だ!」
山江は、バランスよく打順を組んだ。足の速い林と廣瀬をリードオフマンにして、ミートのある3年目の田上を3番にしている。
日ごろから、選手をよく見ている証拠だ。
川崎:「よし。みんな、がんばろう!」
大西:「ぼこぼこにしてやろうぜ!」
全員:「おー!」
B組は、円陣を組んで気合を入れた。




両軍が、調整グラウンドに集合する。
大体、両翼92メートル、センター115メートルの小さな球場だ。
毎朝、チームのボランティアの人が、雑草をむしり、ゴルフのグリーンとまでは行かないが、かなり芝をきれいに見せてくれる。
陽射しが暑かった。
石原監督:「互いに礼!」
そして、試合が始まる。
先攻は、B組だ。





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