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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第四十五話  立ち直る水瀬







鬼頭は、5番打者をスライダーで引っ掛けて7回表、三者凡退で切り上げた。
そしてキラーズは、4番の大西からの打順で始まる。
大西:「よし、決めてくるぜ!!」
珂日:「頼みましたよ!!」
期待を背に、大西はバットの感触を確かめながら打席に向かった。





マウンドの水瀬に、過去の戒めは消えていた。
水瀬:「(もう、あんなピッチングはしないぜ。本来の俺を取り戻す!!)」
強気の水瀬が、マウンドには戻っていた。
後藤田は、再び笑って見せると、サインをだす。うなずく水瀬。
そして、初回のように大きく振りかぶり、腕をしならせ白球を投げ込む!





バン!!






審判:「ス、ストライク!!」
なんと、スピードガンが計測したのは、160キロジャスト。
大西:「なっ!(大震災を投げてこなかった・・・?)」
マウンドで水瀬は叫んでいた。
水瀬:「キラーズさんよぉ!」
この水瀬の声にベンチは反応する。水瀬の眼は、闘志で燃えきっていた。
水瀬:「もう何が来るかわかんねぇぜ!お祭りムード、断ち切ってやるぜ!!」
そういって中指を突きたて、ざまぁみろ!といわんばかりのポーズをとって見せる。
大西:「面白いじゃないか・・・」
大西はきっと水瀬をにらみつけると、足場をもう一度均してスタンスをしっかり取った。
こちらのオーラもすさまじく、いつもの甘いマスクは真剣な表情そのものになっていた。
水瀬:「へへっ・・・(そうこなくっちゃ・・・)」
そうして、2球目を投げ込む水瀬。
大西:「(今度もストレートか!)」
だが手元で外へ急ブレーキ、そして発進!
大西:「荒波か!!」
水瀬:「ご名答!!」
大西は何とか当てるものの、手にその痺れが残っている。
大西:「カットしても・・・最初のころの荒波とは重さが極端に違う!!」
審判がツーストライクをコールする。
水瀬は、アウトローいっぱい、ボール半個の世界にストレートを投げ込み、大西から見逃し三振を奪う。
大西:「くっ・・・(終盤にきて、あの正確なコントロールとスタミナ・・・彼はいったい何者なんだ・・・?)」





川崎も三振、小坂も三振。
ストレート、荒波、チェンジアップ・・・
自分のもてるすべての力を、変化量が多く、対応の難しい球種に全身全霊を込めてぶつかってくる水瀬。
気迫の塊の彼に気合で敵う打者は大西でも川崎でも小坂でもなかった。
結局この回は、立ち直った水瀬に連続三振をとられて攻撃終了。







鬼頭は、下位打線を順調に抑え、8回表を無失点で切り上げベンチへ気分よく走ってくる。
監督:「ご苦労、鬼頭。休んでくれて結構だぞ」
鬼頭:「はい」
返事をし、ロッカールームへ着替えとアイシングの道具を取りに行く鬼頭。
もともとセットアッパーなだけに、少々スタミナが乏しいのが弱点である。
監督:「(ムービングファストボールは、指のスタミナの消耗が激しいと聞く。セットアッパーが仕事の鬼頭は、早い回で交代させ、守護神の佐々木につなぐ)」
ブルペンでは、5回から佐々木が準備を始めていた。
パンと、ブルペンキャッチャー相手に走りのいいストレートを投げ込んでいる。
監督:「(だが、問題はうちがどれだけ点数を今の水瀬投手から取れるか、だ)」
石原には不安要素がたっぷりだった。






しかし、キラーズの試合の運命を決定付ける男が、先頭バッターとしてバッターボックスへと向かった。
アナウンス:「7番 ファースト 竹内」
修吾は、バッティンググローブをはめ、マスコットバットで素振りを2,3度行うと打席へと向かった。








後藤田:「(来たな・・・さっきのマグレ野郎)」
水瀬:「(決着をつけてやるぜ・・・)」









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