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果て無き夢へ
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第四十三話  同点!







後藤田:「バランスが崩れた!!(ラッキー!いけるぜ!!)」
珂日のスイングが始まると、左足がぐれ、僅かにカタチが悪くなった格好でのスイングになってしまった。
珂日:「くっそがーーー!!」
全身全霊でバットを出す珂日。軌道なんぞむちゃくちゃだ。
だが、そのがむしゃらな姿勢、そして、生まれ変わると誓ったイノセントな心を野球の神様は見逃さなかった。




キンッ!





軽快な音が響く。
出したバットには、確かな感触が残っていた。
白球は、蒼穹の空へ向かって伸びる。そして、右中間のど真ん中に落ちた。
大西:「ヒットだ!!」
仲嶋:「ナイスバッティング!!2ついけるぞ!!」
さぁ、打球が飛べば塁上は珂日のショータイムだ。
自慢の足を使い、1塁をける。
やや大きいカタチで塁を廻るが、スピードは衰えない。
しかし、センターには俊足のカイザースのトップバッター獅子村だ。
無論、打球の処理も鮮やか。クッションボールをワンバウンドしてきたところを、素手でキャッチ!
獅子村:「おらぁっ!!行かせるかよっ!!」
2塁めがけて遠投!!!!    だが・・・






獅子村:「い、いない!!??」







友沢:「ランナー2塁廻ってるぞ!!」








なんと、珂日は2塁を回り3塁を目指していた。
珂日:「ハァッ!(くっ、こんなに体力が・・・)」
無我夢中でのヘッドスライディング。強肩の友沢から3塁への送球のタイミングも、ほぼ同時。
砂煙が上がり、3塁審が目を凝らし判定をしようとしている。
そして、煙が消え始め、結果が明らかになる・・・。








3塁審:「セーフ、セーフ!!」







3塁手は、珂日のスライディングに慌て、送球の処理が遅れた。
そのため、ボールを落としてしまっていたのだった。
仲嶋:「ナイスファイト!珂日!!」
廣瀬:「やるっぺ!見直しだべさっ!」
川崎:「いい根性だよ、珂日くん!!」
キラーズベンチは盛り上がる。
だが、マウンドの水瀬は、すっかり意気消沈しているようだった。
水瀬:「打たれた・・・打たれた・・・うわぁっぁっぁっぁっぁあああっ!!」





バッターボックスへ向かおうとする林。そこへネクストバッターズサークルに来た廣瀬へ声を掛ける。
林:「廣瀬」
廣瀬:「なんだべ、林」

林:「大震災の攻略法、見えた気がするぜ・・・」

廣瀬:「なっ!マジだべか?!」
そして林は、廣瀬にこっそり耳打ちする。
廣瀬:「なるほどっ!べか!!」
林:「まだ確証はないんだ。だから、オレの打席ではっきりさせてくる。オレが打てなくても、後ろにはお前と仲嶋がいる。任せた」
そういい残し、ヘルメットを被り林はバッターボックスへ向かった。





林:「証明する・・・この打席で・・・」
後藤田:「(ちっ、まずくなってきたな・・・)」
後藤田はあえてサインを出さない。今の水瀬には、何を言っても無駄だろう、と感じたからだ。
そして水瀬は、大震災を投げる。
林:「大震災って名前がつくくらいだ・・・。原理は、地震発生のメカニズムと同じはず・・・」
林はじっとボールに集中する。とくに、リリースされたポイントのボールには・・・
林:「(まずはP派。これは俗に言うたて揺れ・・・。ここからだ・・・)」
バッターボックス10メートルくらいのところから、再び激しく揺れだすボール。
林:「(そう、この地点からだいたいS派が始まる。だが・・・)」
林が見たのは、偶然にも珂日がバランスを崩して出したバットの軌道。
その軌道は・・・
林:「OK。道は開けた!!」




カキーン!!




後藤田:「なっ!(1度ならず、2度までも!!??)」








ボールは水瀬の股下を抜き、センターへと抜けようとしている。
しかし、ショートの友沢は守備範囲が広い。すぐにボールに追いつく。
友沢:「(一点を阻止したいところだが・・・)」
チラッとホームを向くと、今投げても絶望的なタイミングだと想い、ファーストへ送球。
林はショートゴロに倒れたが、価値のあるショートゴロだった。




珂日が生還。これでキラーズ、6回裏に大震災に対して2連打でついに1−0の均衡を破り、この回、同点に追いついた!!









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