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第四話  顔合わせ






猿鳶:「ぇえ、みんな、僕が今日から2週間、君たちA組の監督を務めます。守備走塁コーチの猿鳶です。よろしく!」
猿鳶のスピーチとともに、拍手の喝采が巻き起こる。
彼は今年コーチになった新米。さぞ嬉しそうに、頬を赤らめた。
猿鳶:「ぇぇ、それでは、チームをまとめるチームリーダーを決めたいと想います。僕から選んでもいいかな?」
猿鳶がチームメンバーに問いかける。
全員は、この提案に納得が行っているようだった。
猿鳶:「じゃぁ、高井くん、やってもらってもいいかな?
」 高井:「OKだよ、豊!」
猿鳶:「おいぉぃ、その呼び方はやめてくれよ・・・」
高井と猿鳶は、かなり親しそうなのが印象として残った修吾。
しかし、ほかの一部のメンバーは、不服そうな顔をした。
その理由を、12年間キラーズに尽くしてきた同じチームの新庄に聞くことにした。
修吾:「新庄さん、ちょっとお尋ねしたいんですけど・・・」
新庄:「竹内か。なんだ?相談というのは」
修吾:「なんで、高井さんと猿鳶コーチって仲がよさそうなんですか?」
新庄:「監督も紹介していただろ、2年前までキラーズでセンターをやっていたと」
修吾;「ぇぇ。同期なんですか、あの二人?」
新庄:「そだよ。ただ・・・」
修吾:「ただ?」
新庄:「いや、なんでもないさ。ま、そんなことよ」
修吾:「なるほど・・・。わかりました、ありがとうございます・・・」
修吾は、少し言葉を詰まらせた新庄に対して、疑問を抱いた。



新庄:「現役時代から、あの人はあまり好かれてないんだよね・・・」



猿鳶:「じゃぁ、チーム構想は、守備を中心としたバランスの取れたチームです。打倒B組!」
オーという勢いの上がった掛け声とともに、全員グローブを取り出した。
猿鳶:「じゃぁ、ノックを始めるよ。全員、自分の守備位置について。珂日くんは、僕のアシスタントをしてくれないか?」
珂日:「・・・、わかりました・・・」
珂日は、悔しそうに舌打ちをした。
猿鳶:「投手は、キャッチボールで肩をアップしていて。じゃぁ、条辺君は守備に参加してくれるかな?」
条辺:「わかりました」
てきぱきと大きな声で支持を出す猿鳶。
このチームのOBであることからか、すんなりとメンバーは従う。だが、安や木村の顔は、不服そうでたまらなかった
投手組のほうは、チームリーダーの高井が、サークルキャッチボールをやろうと提案している。
猿鳶:「じゃ、いくよ!!」
大きく上がったフライは、センターの後方へと飛んでいった。やや、力が衰えていない。
仲嶋:「何のこれしき楽勝よ!」
仲嶋は、俊足を生かして、ゆうゆうと打球に回り込んで捕球した。修吾はそのプレーに目を奪われている。
新庄:「ほら、ボーっとするな。アレくらい、元気なら日常茶飯事さ」
修吾:「アレが普通なのかよっ!」
修吾の集中力がそっちに行っている間に、猿鳶の放った打球が、修吾を強襲する。
猿鳶:「竹内君!危ないよ!」
修吾:「へっ?」
振り向くと、目の前には白球があった。
思わず、グローブを顔の前に当てる。鈍い音の後に、白球はしっかりとグローブの中に納まったが・・・。
新庄:「ぉーぃ、大丈夫か?」
修吾:「・・・・・・鼻、打った・・・」
すでに、穴からは大量の血液が流れ出ていた。




そのころ、B組は・・・。
山江打撃コーチの下、ミーティングをしていた。
山江:「1週間に一度、紅白戦を行うことが、すでにキャンプの方針として決まっている」
山江は、カタカナの「コ」の字に並んだテーブルの、ちょうど間の開いている部分を右に左に行ったり来たりしながら、ホワイトボードを使い、今後のシステムについて説明している。
山江:「つまり、今週の末、A組と試合をするということだ。それまでに、基本方針等を固めておきたい」
大西:「打撃コーチ、チームリーダーとか決めないんですか?まとめる役がいないと」
川崎:「僕も、同じ意見ですね。やはり、ここは組をまとめる存在が、コーチのほかにもほしいところですね」
廣瀬:「んだな。おらもおんなじ意見だ。皆だっで、そう思っちょるんべ」
大西、川崎、廣瀬。この3人が、山江の方針に案を出す。チームリーダーが必要のことだ。
彼らの意見に、ほかの選手たちも、首を縦に振る。
山江は、なるほど、と呟き推薦を始めた。
山江:「じゃぁ、川崎がチームリーダーということで」
川崎:「ありがとうございます・・・」
川崎は、チームリーダーの挨拶をするため、山江の横に肩を並べた。
川崎:「B組を2週間まとめていくことになった。もちろん、我が組全員が、1軍登録されるのがベストだ。だが、そうは行かない。しかし、A組はライバルだ。敵意を持って、挑もう!」
オー!という大歓声が沸き起こった。
それを山江は、強かな目で見ていた。





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