パワプロについて
├パワプロとは何か?
├パワプロシリーズ検証
└登場人物紹介


掲示板
以下の掲示板は、左フレームのBBSのBBSメニューからもいけます。
パワプロ専用掲示板
連絡用掲示板


パワプロ小説
以下の小説は、左フレームのNOVELのメニューからもいけます。
果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第三十七話  三冠王のプライド、そしてアクシデント







田上:「この場面で、友沢さんか・・・」

修吾:「あの天才バッターが、また来たのか・・・」

高井:「ハァ、ハァ・・・」







友沢:「あの投手・・・スタミナが無さそうに見えるけど、まだ残ってるんだろうな・・・。きっと、違う何かであんなに汗をかいているんだ」
友沢は冷静に分析をする。確かに、高井のスタミナ自体はまだ存分に残っている。
友沢:「だけど、あのカーブ、そしてさっきの微妙なナックル。アレを使うと手と体のエネルギーの消耗は激しい。そしてあの汗・・・そろそろあの球以外の球種で攻めて来るかもな・・・」
と、友沢は呟き、バッターボックスへと向かった。
友沢:「(初球、何で来るかが楽しみだ・・・)」
田上のサインにうなずく高井。そしてボールをリリースする。
友沢:「やはりストレート!(あの変化球を待ってやるか・・・)」
キーン!
友沢は軽くストレートをカットする。ボールはバックネットへ。
高井:「(やはり普通のストレートじゃ、だめかも・・・今のは意図的なカットだった・・・)」
そして高井はロージンを触る。友沢はこの動作を見逃さなかった。
友沢:「(さっきもあの変化球を投げるときはロージンを触っていたな・・・。ということは・・・)」
友沢の眼光が、鋭くなる。
友沢:「来る!(間違いない!!)」



高井が2球目をリリースする。そして友沢はタイミングを計る。
友沢:「(さぁ、どこで沈む、そのカーブは!)」
ホームベースまで後数十センチというところで、そのボールは鋭角に滑り出した。
友沢:「何!(今度はまた違う変化?!)」
読みが外れたとも澤のスイング軌道は、振りぬいた後。すでに修正もつかずに、大きな空振りをしたあとにしりもちをついた。
豪快に砂煙がたつ。田上はこのボールを後逸していた。
田上:「(違う変化・・・全くといっていいほど取れないかも・・・)」
高井:「ハァ、ハァ・・・」
そして、友沢は起き上がる。目つきが今まで以上に鋭くなっている。
友沢:「絶対に打つ・・・三冠王のプライドにかけて!」














静寂が訪れる。















友沢のスイングが、空を切った。ボールは、田上の後ろを転々と転がっている。
投げ終えた高井は、マウンド上で倒れていた。





田上:「!(ボールは!!)」
友沢は体制を崩したままそこから動こうとしていない。田上は、素早くバックネットのほうへ転がっていったボールを見つけると、友沢にタッチした。
審判:「アッ!アウト!スイングアウト!!」
友沢:「くっ・・・くそぅ・・・(打てなかった・・・)」
友沢は立ち上がると、異変に気がついた。マウンドの高井が倒れている。
友沢:「!!(こ、こいつは・・・)」
気がつくと友沢は叫んでいた。
友沢:「おい!救急車だ!早く呼べ!おまえらのとこのピッチャー、急がねぇとやばいぞ!早く!」
獅子村:「おいおい、どうしたんだってぇの・・・」
後藤田:「むっ!あの投手、動かない」
水瀬:「・・・・・・」
水瀬と友沢が真っ青になっていく。そして、修吾も・・・
修吾:「あ、あ・・あ・・・・」
気がつくと修吾は、高井の元へ駆け寄っていた。
何がなんだかわからなかったナインも、高井のもとへ駆け寄る。
大西:「高井さん、大丈夫ですか?!」
仲嶋:「やべぇ。熱がすごい・・・」
林:「だれか、マジで救急車呼んで来い」
廣瀬:「早く電話するべさ!!」
そしてそこに監督が出てきて、ナインを一喝した。
監督:「お前ら、落ち着け!!」
そして監督は続ける。
監督:「救急車の手配はすんだ。高井のことは私もよく知っている。大丈夫だ、奴なら必ず快復する。だから、お前らが騒ぐと事態が混乱する」
観客たちも何がなんだかわからず、パニックになりかけているところだった。石原の一喝が無ければ、この球場は大混乱になっていたかもしれない。
ざわつきが徐々におさまっていく。すると、救急車のサイレンの音が聞こえた。
高井は担架に乗って退場する。その様子を、ただ修吾は真っ青になって眺めていた・・・









次へ    果て無き夢へTOPへ