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第三十六話  投手戦







獅子村:「ヒュー・・・(第一打席のカーブより・・・いや、これは別物?)」
獅子村は、いったんバッターボックスを離れて軽く素振りをする。
気持ちを落ち着かせるためである。あんな感じのカーブは、自身、見たことがない。
獅子村:「(とりあえず・・・変化の程がわかれば打てないことはない・・・)」
獅子村は冷静さを取り戻し、バッターボックスへと戻った。












田上:「(やっぱり取れない・・・。振り逃げの可能性もあるのに・・・)」
田上はマウンドの高井を見ると、再びロージンを触っている。やはり、あのボールがくるのだ。
田上:「(止めなくちゃ・・・オレは意地でも!)」
高井がモーションに入り、そのしなる左腕からボールが放たれる。
獅子村:「1・・・2・・・」
獅子村は、頭の中で数を数えながらスイングに行く。が、捕らえたと想ったボールはない。今度は先ほどよりも変化していないのである。
獅子村:「なにっ!(さっきほど沈んでない・・・だと?!)」
田上は辛くもこれをキャッチする。獅子村は空振りだ。
審判:「ストライクツー!」
審判のコールが高らかと響いた。





高井:「ハァ、ハァ・・・(追い込んだ・・・。ここからが勝負だ・・・)」
高井は、帽子のつばを触る。そして、つばを直した。
高井:「(多分3級目も、このカーブを狙ってくるんだろう、あのバッターは・・・なら・・・)」
高井は、握りを変えた。なんと、爪で縫い目を持っている。この握りは・・・
高井:「シッ!」

高井が降り出した腕からは、なんとも緩いボールが獅子村に向かってきた。
獅子村:「チェンジアップか?(ふっ。絶好球!)」
獅子村は安心してスイングに行く。だが・・・









ガキッ!








獅子村:「何!(僅かに芯を外れた?!)」
ボールはセカンド後方に上がるが、これを林が落ち着いてキャッチした。
林:「ふー、ツーアウトか・・・」
一方、凡退した獅子村は悔しそうにベンチに戻ると、バットをケースの中に豪快に投げ入れた。
獅子村:「アー、むかつく!最後はサークルチェンジかよ!!」
友沢:「そうとも限らないけどな(アレはナックル系だな・・・変化は小さいけど・・・)」
続く2番打者も凡退し、カイザースは3人で3回表の攻撃を終えた。






水瀬:「ふぅ。俺の出番か・・・」
水瀬は自軍が攻撃を終えたのを確認すると、首にかけていたタオルをベンチの背もたれにかけた。
水瀬:「ナックルだろうな、さっきのは・・・」
水瀬は生まれつき動体視力がよかった。そして、反射神経も。
さっきの修吾の打球も、あと数センチというところだった。反応はとてつもなく素早い。
水瀬:「まぁ、もっとすごいナックルがあるけれどね・・・」
そういって水瀬は、自分の右手を眺めた。








キラーズの3回裏の攻撃は高井から。
しかし、水瀬のストレートが冴え渡る。かすることも無く三球三振で高井は凡退。
続く林も、ショートゴロ。
廣瀬は、チェンジアップを引っ掛けボテボテのサードゴロだった。
監督:「相手の投手は緩急を使ってきてるな・・・」
石原はそう分析した。彼もまた、伊達に監督業を長くはやっていない。
監督:「160キロ近いストレートにスピード差のあるチェンジアップ・・・そしてあの荒波か・・・」
石原はベンチに戻っていく水瀬を見た。すると、中指と薬指が爪が少々痛んでいる。
監督:「(まだ隠し持っているな・・・あの水瀬という投手・・・)」
監督の目が鋭く光った。





4回表・・・
3番打者はあのカーブを意識しすぎてスライダーに手がでずに見逃しの三振。
そして、1死でこのバッターを迎える。








アナウンス:「4番・・・ショート、友沢!」









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