パワプロについて
├パワプロとは何か?
├パワプロシリーズ検証
└登場人物紹介


掲示板
以下の掲示板は、左フレームのBBSのBBSメニューからもいけます。
パワプロ専用掲示板
連絡用掲示板


パワプロ小説
以下の小説は、左フレームのNOVELのメニューからもいけます。
果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第三十五話  高井の新球







修吾のヒットで、2死一二塁となったが、田上は見逃し三振に倒れ、結局キラーズの2回裏の得点は0に終わった。
小坂:「っ、修吾、気づいたか?」
修吾:「なんとなく・・・ですが、でも、もっと俺の動体視力がよくなっていけば、もっと球筋が読めるようになると想います」
小坂:「(このやろう・・・ついに見つけ出しやがったな)」
小坂は、内心にやりとしていた。この男は化ける。そう確信した。
小坂:「さーて、お前、守備でぼろ出したらせっかくの打撃も日の目を浴びないぜ。気持ち切り替えろよ」
修吾:「ハイ!」








マウンドの高井は迷っていた。
自分が今まで暖めてきたあのボールを、ここでベールを脱がしてもよいのか、ということである。
田上:「高井さん?」
高井:「わぁ!吃驚した!!」
田上:「どうしたんですか、何か集中してませんけど・・・」
高井:「あ、うん。実は・・・」
高井は、今この場で自分が試そうとしている新球種があることを田上に明かした。しかし、田上は・・・
田上:「俺じゃ無理ですよ!そいつは、捕れません!!」
高井:「頼む。この打線を抑えるには、アレしかないと踏んでいるんだ。自信はある。だから、受けてくれ・・・」
田上:「高井さん・・・」
高井:「その球を出すときは、俺がロージンパックを触るから・・・。じゃぁ、よろしく頼む」
そういい残し、高井は田上との打ち合わせを終えた。







高井は、9番投手水瀬をサードフライに打ち取る。これでワンアウト。
しかしここで、先頭打者に打順が廻る。そう、初回にあの強烈なあたりを放った獅子村に打順が廻ったのだ。
獅子村:「さて、第二打席はスタンドも夢じゃない。さっきはセンターとレフトにやられたが、それもここまでかな?」
田上:「くっ・・・!」
田上は我が目を疑った。高井がロージンパックを触っている。
田上:「なっ!(そんな、初球から!!俺も説明を聞いただけで、まだ捕れるとは限らないのに・・・!!)」
高井:「彼らに挑むには、この球しかない・・・」
そう呟き、高井はロージンを触るのをやめた。
高井の目つきが鋭く光る。獅子村はそのオーラに何かを感じた。
獅子村:「へぇ・・・(1回のときとは雰囲気が違う・・・何がくるんだ・・・?)」
そして、高井がモーションに入る。注目の高井の球種が、明らかになる。






獅子村:「はっ!何だ、変化球か・・・(カーブの回転だな、アレは・・・)」
そう、高井が投げたのはカーブである・・・が
獅子村:「よし・・・(このスイングなら、完全に・・・)」
そこからボールはまるでカッターナイフで紙を切り裂いたかのように鋭く沈んだ。そう、バットをすり抜けたのだ。
ボールは田上の前でワンバウンド。そのまま、田上のあごを直撃する。
田上:「つっ!(なんてバウンド!!)」
獅子村:「・・・ヒュー・・・」
高井:「完成した・・・ゴホッ・・・」
高井はマウンド上でその闘志みなぎる目で獅子村を見ていた。









次へ    果て無き夢へTOPへ