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果て無き夢へ
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第三十二話  荒波VS大西







カイザースの攻撃は、6番のキャッチャー後藤田から。
田上:「高井さん、大丈夫ですか?」
マウンド上で、汗をぐっしゃりと書いている高井に田上は声をかける。
高井:「ハァ、ハァ。まだ大丈夫だよ。ハァ、ハァ・・・」
田上:「(まずい・・・これ以上点はやれない!)」
審判:「プレイ!」
後藤田が右打席に入ると、オープンスタンスの構えを取る。
後藤田:「(あの投手・・・限界近いのか?スタミナがないくせに・・・)」
しかし後藤田は大空振りを3連発。扇風機の空回りで、三球三振である。
水瀬:「またやったよ、あの人は」
そうはいいつつも、水瀬は後藤田のキャッチング能力に感謝している。
水瀬:「俺の変化球を取れるのは、あの人くらいだしな・・・」
7番をファーストライナー、8番をピッチャーゴロに打ち取り、高井は、この回7球でマウンドを降りた。
高井:「ありがとう、田上君。少ない球数で助かった」
田上:「いえ、高井さんのコントロールが素晴らしいんですよ」






打席には4番の大西が向かう。
大西:「(何とかして打たないとな・・・。外からぶつぶつ呟いているだけじゃ全く打てないだろう・・・)」
水瀬は、ロージンパックを手に取り、ロージンを手になじませている。
水瀬:「それにしても・・・寒いな・・・」
今日のこの球場の気温は3度。いささか、ユニフォーム姿では寒い。
水瀬:「明日、かぜひかないように、気をつけなくちゃな」
そういいつつも、いつものあのポーズをとりながら、キャッチャー後藤田のサインを待つ水瀬。
後藤田:「(いきなり荒波、行くか?)」
水瀬:「(OK・・・仮にもこいつは4番だし。パワーありそう)」
水瀬の右腕から、荒波が放たれる。
大西:「くっ!(仲嶋は手元で判断したといっていたけど、その前に判断するポイントはないのか?)」
リリースではだめだ。大西はそう悟っている。
何せ、水瀬のリリースは荒波とストレートが全く一緒の振りなのだ。投げられた瞬間に判断はできない。
ククッ・・・ズバン!!

ボールはえぐるようにして内角からカットしてキャッチャーミットに吸い込まれた。
後藤田:「むっ!(こいつ・・・球筋をよんできたのか?)」
水瀬:「(へぇ・・・カットするつもりかな?それとも・・・)」
二球目のモーションに水瀬が入る。
水瀬:「俺のボールにびびっちゃったわけ!!」
ビシィツ!と力強い音で、ボールは投げ込まれる。
大西:「回転数を・・・」
後藤田:「なっ!(こいつ、まさかボールの回転数を見極めようと・・・)」
大西の小さくこぼした言葉を、後藤田の耳は聞き逃さなかった。
大西:「(くっ・・・眼が疲れる、)しかし!」
大西はここでスイングにいく。
水瀬:「なっ!(タイミングが、ドンピシャリだ!!)」
後藤田:「(頼む!1ミリでいいから、スイングの軌道がずれてくれ!)」


大西:「これはストレートだぁ!!」













キーン!











この試合、キラーズで初めて快音が響いた。









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