パワプロについて
├パワプロとは何か?
├パワプロシリーズ検証
└登場人物紹介


掲示板
以下の掲示板は、左フレームのBBSのBBSメニューからもいけます。
パワプロ専用掲示板
連絡用掲示板


パワプロ小説
以下の小説は、左フレームのNOVELのメニューからもいけます。
果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第三十三話  ハイレベルな戦い







水瀬:「なっ!(タイミングが、ドンピシャリだ!!)」
大西:「これはストレートだぁ!!」
大西のバットが、鋭く水瀬の157`のストレートを捕らえる。
打球は、眼ではおえるかどうかのスピードで、左中間を抜けようとする・・・が!










パシッ!!









キラーズのベンチが、水瀬が見た光景は、ショートの友沢が垂直ジャンプで打球をジャンピングキャッチしているところであった。
友沢:「ま、前に飛んだところでヒットになる確率は低いけどな」
審判:「アウトー!」
大西:「何!(完全に抜けたと想ったが・・・奴がいたのか!!)」
大西は、小さく舌打ちをしてベンチに戻ってきた。
修吾:「す、すげぇ。あの球をジャンピングキャッチするなんて・・・」
廣瀬:「並半端じゃないべ、友沢 亮」
仲嶋:「くっ!強すぎるぜ、カイザース・・・」
キラーズのベンチが、次第に苦しいムードになっていく。
しかし、この男がその気まずい歯車を止めた。












川崎:「ようは抜ければいいのだろ?みんな・・・」





修吾:「川崎さん!」
川崎がネクストバッターズサークルから呼びかけてくる。
川崎:「僕は負けないけどね・・・」
そういって、風貌が急変したかと想うと、目つきも鋭くなっていた。
後藤田:「!!(打席に入る前と入った後で、雰囲気がまるで違う!!)」
川崎のオーラを間近で感じ取る後藤田。彼の額から、冷や汗が一滴垂れ落ちた。
水瀬:「ふーん・・・(その気迫、こっちまで十分伝わってるぜ!)」
水瀬は、俄然やる気になったのか、再び舌を出し、自分の唇をなめ回し、あのポーズを取った。
水瀬:「(任せるぜ!リードのほう、よろしく!!)」
帽子のつばを触る水瀬。青い下地にKの白い刺繍のついた帽子のつばには、水瀬が自分にいつも言い聞かせる言葉が書いてあった。


水瀬:「常に、上へ・・・!」


水瀬が第一球を投げ込む。
水瀬:「セイッ!!」
ズバン!!




判定を待つキラーズベンチ、カイザースナイン、そして、バッターボックスの川崎・・・
審判:「ボール!!」
僅かだが、本当に僅かだが外角低めにボールが外れていた。川崎の選球眼はそれを見逃さず、バットを途中で止めていた。
水瀬:「なっ!(あいつ、やりやがる・・・)」
後藤田:「やはりこの男只者じゃない・・・!」
後藤田は小さく呟いた。そして、2球目を要求する。
ところが、この試合初めて首を振る水瀬。いつもなら後藤田のサインにうなずくはずだが・・・。
2回目も首を振る水瀬。そして、ようやくサインが決まり、モーションに入った。
川崎:「(荒波か・・・それともストレートか・・・)」
リリースされるボール。それをスイングにいく川崎・・・
しかしボールはバットの真に当たる直前から失速して落ち始めた。
川崎:「なっ!」
体勢の崩れた川崎は、何とかバットにボールを当てるものの、弱々しいゴロになり、ピッチャーゴロを水瀬が何事も無く捌いた。
大西:「チェンジアップか・・・」
仲嶋:「水瀬だってバカじゃない。あのやろう、やっぱり他にも球種があったんだ・・・」
倒れた川崎は、ヘルメットをバットの先端でガンガンと2回たたくと、ベンチに下がってきた。
川崎:「すまない、みんな・・・」
修吾:「でも、ボール半個見切るなんて、川崎さんはすごいっすよ」
仲嶋:「そうですよ。まだイニングは2回裏。逆転の可能性はまだありますよ!」
そんな会話をしている中、小坂の右足に水瀬のボールが当たった。
小坂:「くっ!(なんて重さだ・・・このストレート)」
後藤田:「す、すまない」
後藤田が謝る。水瀬は帽子を取り、深く頭を下げている。小坂は自分の右足に失投ながらもデットボールを食らってしまった。
修吾:「大丈夫ですか、小坂さん・・・」
コールドスプレーを当てている小坂に修吾が話しかける。



小坂:「修吾・・・お前、俺の出した宿題の答え、見つけられたか?」


修吾:「ぇ!?・・・まだですけど・・・」
小坂:「遅せぇよ、バカ・・・」
小坂は、痛そうな顔をしてコールドスプレーを当てているが、言葉を続けた。
小坂:「修吾、その答えが見つからない限り、お前は水瀬を打てないぜ・・・」
修吾:「俺の、致命傷・・・」
小坂はコールドスプレーをかけ終えると、一塁ベースへと向かった。
残された修吾は、不安な気持ちのまま、打席へと入った。









次へ    果て無き夢へTOPへ