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大西：「（やっぱり来たか・・・。厄介だ）」
仲嶋：「（あいつと勝負かよ・・・。敬遠のほうがいいぜ、高井さん）」
高井：「ふぅ。（こんなところで廻ってきてしまったか・・・）」
キラーズの選手全員は、この友沢というバッターを恐れている。
何せこの友沢、昨年のジャパニーズリーグの三冠王だからである。
林：「打率．３４５、本塁打４３、打点１２８・・・しかも両打ち」
修吾：「な、天才！？」
友沢：「ふっ。（風はあまり出てないようだな）」
友沢は、右打席にゆっくりと入ると、いつものスタンスを取り始めた。
高井：「く・・・。（彼はチャンスに強い。ここは慎重に・・・）」
田上：「（一球目は、外に・・・）」
田上は外角にリードを取る。
高井はそこに、綺麗にストレートを投げ込んだ。友沢は見送っている。
審判：「ストライーク！」
友沢：「（相も変わらず、なんてコントロールだ。ボール半個の世界だな・・・）」
田上から送球されたボールをキャッチし、汗を拭う高井。
２球目を投げ込む。
友沢：「むっ！」
切れのいいスライダーが、真ん中から内角に・・・・友沢に向かって食い込んでくる。
しかし、友沢は腰の回転をうまく利用して、これを引っ張った。
打球はどんどん切れていく。ファールボール。
友沢：「（スライダーの切れも増している？今日の投手は絶好調みたいだな・・・）」
田上：「（今の内角が効いたかな？もう一回、外に・・・）」
キーン！
高井のはなったストレートが、いとも鮮やかにミートされる。
林：「くそっ！（打球のスピードが速い！）」
乾いたグラウンドは、硬くなって、友沢のゴロの勢いを手助けした。
林：「（追いつけるか！！）」
ピッチャーの右横、そして、林の絶妙なところをついたゴロは、そのままセンター前へと抜けていった。
林：「くそっ！！」
獅子村：「ほい、１点先制・・・」
獅子村は、人差し指でちょんとホームベースをタッチすると、仲間とハイタッチを交わし始めた。
打った友沢は、１塁ベースの上で止まっている。
高井はそのあとの５番をライトフライに打ち取り、失点を１で抑えた。
しかし、キラーズは初回にカイザースに先制されてしまった。
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