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果て無き夢へ
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第二十話  木更津ランナウェイズ







修吾:「オレの致命傷・・・それっていったい・・・」
小坂:「それを探すのが、キミのこのキャンプの仕事かもね。答えを俺が教えたら、何にもならないよ」
問い詰める修吾に対し、小坂は冷たくあしらう。しかし、小坂とてこれが修吾のためになると想っていた。
小坂:「もう少し、この練習を続けてみなよ。オレはノックに入る。あのバッティングピッチャーの宮沢さんは、現役時代は七色の変化球を投げる人として有名だったからね」
バッティングピッチャー宮沢:「おいおい、和喜ちゃーん。そんなにおだてるなよw調子乗っちゃうぜ」
小坂:「こんな調子で、一発ばかり打たれまくったんだけどな。まぁ、この人の球は本物だから」
修吾:「は、ハイ・・・」
修吾は、新しいバットをバットケースから取り出し、軽く素振りをした。
修吾:「(ていうか、まだこの人現役続けられるんじゃないの、宮沢さん)」




小坂はノックにうつった。そして、三塁の川崎と少しの間話をする。
川崎:「どうだったの、修吾くん」
小坂:「んー。まだまだ粗いかな。センスはあると想うんだけど」
川崎:「確かに。それに対してはオレも想う。ストレート、スライダー、カーブ、フォークと、高校生が投げそうな球に対しては反応が早い」
小坂:「ただ、はじめて見る球には全くといっていいほどダメだ。これじゃすぐに弱点をばらされる」
川崎:「うーん。で、アドバイスしてあげたの?」
小坂:「いいや。ぜんぜんしてませんよ。あいつの答えはあいつで探してもらわないと、ネ」
小坂はダイビングキャッチで山江打撃コーチの球を捕球する猿鳶はどこかへ消えたままだ。
小坂:「んしょっと。まぁ、俺なりに打てない理由はわかってるよ」
川崎:「まさか、慣れとか言う理由でごまかすつもりじゃないだろうなぁ。かわいそうだぞ」
小坂:「違いますよ・・・。半分当たってるかも」
川崎:「おいおい・・・」




修吾:「くっ。またダメか」
修吾は、その後30球宮沢さんに投げ込んでもらった。ストレートに対しては反応できるが、変化を自在に変えてくる変化球に対しては、全くといっていいほど対応できない。
宮沢さん:「ほらほら。変化球打てなきゃダメでしょ。次、パームとか混ぜていくからね」
修吾:「あんた、何球種投げられるの?!」
宮沢さん:「んーと・・・。ストレート、スライダー、高速スライダー、カットボール、カーブ、滑るスライダー、ドロップ、フォーク、パーム、チェンジアップ、サークルチェンジ、ナックル、縦に落ちるスライダー、スプリット、シンカー、高速シンカー、シュート・・・」
修吾:「・・・・・・・もういいです」
あまりの球種の多さに、修吾は嘆いた。ちなみに、宮沢さんがバッティングピッチャーになった理由は、ひじに負担がかかりすぎたから、だそうだ。
修吾:「アレだけ投げられて平気な人がいるわけないよ」
そういっているうちに、ど真ん中にストレートが決まった。












時同じくして、千葉県木更津市を本拠地とする木更津ランナウェイズのキャンプ地。
木更津ランナウェイズは、鳴門キラーズと優勝争いをするほど強力なチームで、毎年Aクラス争いに食い込んでくる。
主砲、清川 仙を筆頭に、数々の個性溢れる面々を、熟年の監督、戸島 武がまとめている。




戸島:「ウォッホン。じゃぁ、みんな、練習を始めとくれい」
??:「おじいちゃん、それだけじゃわからないよ〜」
戸島:「えーい、時雨!おぬし、おじいちゃんとは何じゃ!えぇ?確かにわしは、歳は多いぞ。もう70はとっくに越えたワイ!だけどな、マスターリーグではホームランうっとるワイ。ピーんピーんしとるんじゃぞ。ほれ、このとーり、100メーターはしってもなんともな・・・」
戸島の体に激痛が走る。ぎっくり腰だ。
戸島:「すまん。わし、今日は練習に出れそうもない」
時雨:「だからいったじゃん。おじいちゃんはゆっくり休んでなってさ」
??:「時雨さ〜ん。おじいちゃんにいくらなんでもかわいそうですよ」
時雨と呼ばれる、まぁ結構きざっていうか、ちょっと突っ走り系の男に対し、ルーキーであろうか?グローブを片手に、見慣れた顔がキャッチボールにさそう。
時雨:「お。じゃ、始めますか、小田君」
小田・・・小田和道。彼は修吾のよきライバルであり、よき理解者である。
この2人がシーズンで限りない死闘を繰り広げるとは、誰がこのとき予想できたであろうか。
そしてこの時雨、彼の行動を誰が・・・
時雨:「余計なこと言わんでいい!!」
小田:「誰に言ってるんですか?」
時雨:「ん、独り言。オレ、AB型だから」
小田:「(関係ないよな・・・それ)」






戸島は担架に乗せられ医務室へ。
もうわかると想うが、彼は「おじいちゃん」の愛称で選手たちに親しまれている。コーチが悪ふざけでいったら、バットでそのコーチをたこ殴りにしたことが、今では伝説となっている。
だが、非常に選手には優しく、いつも選手のことを想っている監督でもある。キラーズの石原監督とは、酒飲み仲間である。
戸島:「うぅ。でも、今年はキラーズのほかにも、台風の目になりそうな球団があるのぉ・・・」
そういって、マッサージを受けている戸島・・・おじいちゃんは、東の空を眺めた。









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