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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第十九話  修吾の致命傷







修吾:「ミート・・・する力か・・・」
修吾は、石原監督に言われたことを、何度も反芻していた。
しかし彼は、ホームランを打つという信念の元、野球をやっている。そんな彼の信念を真っ向から変える発言。






監督:「お前は、第二のイクローになれる男だ、竹内!!」






監督の言葉だけが、頭の中をよぎる。
第二のイクロー、つまりは、ハイアベレージをたたきだせる打者になれということ。
ホームランを捨て、泥臭くてもヒットを狙えということ。自分は、長距離打者ではなく、中距離打者だということ。
修吾:「納得いかないけれど・・・」
そういってバッティング練習を始めようとすると、一人の若い選手が左打席からレフト、センター、ライトと、広角にライナーのいいヒットを放っている。
修吾は、彼のバッティングに見とれていた。
すると、その選手がバッティングを切り上げる。とっさに背番号の上のローマ字を読み取る。
修吾:「小坂・・・小坂さん?」
小坂:「おぅ。竹内!」
小坂と呼ばれた男は、修吾とそんなに年は離れてなさそうだが、まだ顔に幼さが残る人であった。
年齢は、仲嶋から聞いた話によると、自分より4個上の23歳らしい。サバを読んでいる可能性もあるが・・・
小坂:「大変だったねぇ。特別指導か。大西さんや、条辺さんが受けていたなぁ、って話は聞いた」
修吾:「本当ですか?あの二人も・・・」
小坂:「それほど期待されているってことだよ、がんばれ、若造!なんなら、次はいる?誰もいないし」
修吾:「あ、ハイ。ありがとうございます」
小坂:「俺はもう上がるから・・・。さーて、メニューどうしようかなぁっと」
そういいながら、小坂は、レフト線に鋭いライナーを飛ばす。まさにアベレージヒッティング。伊達に毎年3割以上をマークしていない。
修吾:「あ、あの・・・。小坂さん?」
修吾は、この人からバッティングを教わろうと想った。もちろん、ミートのことに関してだ。
小坂:「ま、監督から何言われたのかわからないけれど、オレでよかったら教えてやるよ」
修吾:「本当ですか?!」
小坂:「あぁ。同じ振り子打法だしな」
そういって小坂は、軽く自分の右足を振ってみせる。確かに、小坂の打法は振り子打法だ。そして、修吾もまた、振り子打法である。
小坂:「オレにはこの打法が合ってるんだよね。なんていうか、バランスが取れる」
修吾:「オレは・・・わからないです」
小坂:「まぁまぁ。とりあえず、10球くらい軽く打ってみんせい」
そういって促す小坂。修吾は、バットを構え、打席へと入った。
小坂:「バッティングピッチャーは何を投げてくるか、わからないからな。心して挑めよ、修吾くんw」
そういっているうちに、バッティングピッチャーは球を投げている。修吾は慌てて振りに行く。
ガキッ
修吾:「うわ、どん詰まり」
小坂:「次来るよ」
修吾がバットを構えなおす間に、今度は内角高めにストレート。そして、外角低めにスライダー。
修吾:「く、くそぅ(あたらねぇ・・・)」
第四球目を、修吾は何とかセンター前。これは外角から食い込んでくるシュートだった。
第五球目、第六球目は大きく左に切れてファールボール。二つともストレートだった。
小坂:「(ふーん。大振りか・・・)」
第七球目・・・
修吾:「ど真ん中?!絶好球!!」
しかしボールは、不規則に沈む。ストレートの勢いのままでだ。
修吾はしりもちをつく。大丈夫かと、バッティングピッチャーが声をかける。
小坂:「ムービングファストボール。してやられたな。」
修吾:「ぅぅ・・・」
第八球目はゆるいカーブをライト前に。第九球目は内角低めのフォークをレフト前に。
修吾:「よし、いい感じ!」
小坂:「・・・」
そして最後の十球目。内角にボールが来た。
修吾:「踏み込んで、スタンドだ!!」
だが、ボールは速度を落とさないまま鋭くスライドする。カットボールだ。
修吾のバットの芯をはずし、そしてそのままバットは折れた。
小坂:「ぉぉっと!破片がこちらまで飛んできたぜ」
結局、十球中3本しか安打性のあたりを放てなかった修吾。これにはさすがの小阪も頭を抱える。






小坂:「うーん。修吾くん、おまいさん、決定的な致命傷があるよ」


修吾:「え?オレのバッティングフォームにですか?」









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