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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第十七話  キラーズのボス







石原監督・・・。彼はキラーズのボスだ。
その彼が、キラーズの選手全員を、グランドの一箇所に集めた。A組、B組関係なしでだ。
監督:「これより、A、B組は解散し、全員で残りの週をキャンプすることにする。総合的な実力も含め、1軍2軍はオープン戦終了とともに決定する。若い才能も、しっかりこの目で見ておきたいからな。以上、では全員、散れ!!」
ざわつく選手たち。これには、山江打撃コーチも驚きの表情を隠せなかった。
山江:「(こんなことを石原監督がやるのは初めてだ。それほど、期待している選手がいるとでも言うのか・・・?)」




監督:「あぁ、それから猿鳶コーチ・・・」
猿鳶:「なんでしょうか」
監督:「話がある。こっちへ来てくれ・・・」
猿鳶は石原に連れ出され、選手たちには見えない場所へと向かっていった。



高橋:「こーら、お前ら!!練習だ、練習!気合入れていけ!ランナウェイズ、ドルフィンズ、フェニックス!この3チームと優勝争いを我がチームはするわけだ!!油断している奴、怠けている奴、今すぐ球団事務所まで走って辞職願い届けてこい!それがいやなら、練習じゃぁ!!」
珂日:「うへぇ、マジかよw」
選手たちは、アップのためにグラウンドをランニングし始めた。
川崎:「せーの、いっちに!」
全員:「いっちにっ!いっちにっ!!」










監督:「猿鳶コーチ・・・」
猿鳶:「・・・」
監督:「私が言いたいことは、大体予想が付くのでは?」
猿鳶は、うつむいたまま、監督の顔がまともに見れない。
監督:「確かに、選手を励ますという面では、選手に甘くしてやるのも大切だ。しかしそれが、ひいきという形になってしまった場合、ほかの選手はいい思いをしないだろう。それはチームのムードをマイナス面で働かせていることになるし、選手たちは自分の想ったとおりに動いてはくれないぞ」
猿鳶:「わかっています・・・でも・・・」
監督:「“でも”という言葉はない!現役時代と、コーチとでは立場が全く違うのだぞ!黄金時代を風靡した伝説のセンターが、そんな指導力でどうする!顔を洗って、しっかりと才能を育てなさい。以上!!」
石原はそういうと、威風堂々とした背中で、グラウンドへと戻っていった。
対して猿鳶は、そこに立ちすくんだまま、全く動けなかった。






修吾は、ランニングが終わったあとのメニューを考えていた。
自分の難点である守備を鍛えようとしているが、肝心のコーチがまだ来ていない。
走塁練習も然り。そうなると、打撃を強制的に行わなくてはならないが・・・。
そう考えている修吾を、石原は呼び止める。



監督:「竹内、お前は私についてこい!特別指導だ!!」



この言葉に、選手たちはざわついた。
そしてその中で一番驚いているのが、修吾本人であった。

修吾:「特別指導・・・?ほぇ?」





仲嶋:「あぁ、修吾、かわいそうに・・・」
仲嶋は、まるで哀れな子羊を見るかのように、連行される修吾を、目頭をハンカチで押さえながら見送った。
川崎:「(やはり、監督は彼を僕の後継者に育てるつもりか・・・)」




監督:「竹内!!」
修吾:「(やべぇ、昨日のアレのことで説教だろ。特別指導とか言っておきながら、特大説教じゃんかよ!!)ハイ・・・」
監督:「貴様、ホームランが打ちたいのか?」
突然の質問に、躊躇しながら修吾は答える。

修吾:「ハイ。ホームランを打てば、子供たちが喜ぶし、何より自分が励みになります。夢を与えているという実感が、それを放つとわきあがってくるんです」

監督:「ほぅ・・・」
修吾の回答に、石原はひげをさすりながら相槌を打つ。
修吾:「あ、あの・・・」
監督:「何もホームランだけが野球ではないだろう・・・」
修吾:「・・・え?!」
石原の口から出された言葉、修吾は理解に戸惑っていた。









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