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第十三話  変化







バッターボックスに5番の川崎が入る。
川崎:「竹内君だっけかな?なかなか熱い青年だ・・・」
バットをホームベースで軽くたたき、ピッチャーの高井へ向けて一度向けると、さっと垂直に構えた。
川崎:「(この状況で狙う場所は、あそこかな・・・)」
川崎は勝負事にはめっぽう強い。そしてそれは、一度ヒットが出ると波に乗ることから、固め打ち男とも呼ばれている。
猿鳶は高井を変えようとせず、細い目でマウンドの高井を見つめていた。
猿鳶:「(ここで乗り切らなくちゃ、ガラスのハートはガラスのままだよ・・・)」


第一球目。
抜けたスライダーが、ど真ん中へと入ってくる。
失投だ。
工藤:「(まずい!!)」
工藤は予感した。しかし、川崎はダウンスイングで、思いっきり地面へたたきつけるように引っ張った。
高井:「ぇ!(何で長打を狙わないんだ?!)」
しかし、これはタイミングが早すぎたのか、ドライブがかかってレフトのファールゾーンへと消えていった。
川崎:「ふむ・・・。(風が出てきたかな・・・?)」


第二球目。
今度は内角低めにストレートだ。
川崎:「これを狙っていた!」
まさに狙い撃ち。ジャストミートした打球は、サードの修吾めがけて飛んでいく。
強烈な弾丸ライナー。しかし修吾は、グローブに当てるのだけで精一杯だった。
修吾:「っあ!」
川崎:「悪いけど、これは抜けるよ」




パシッ!
軽快な音がしたかと思うと、修吾の背後で誰かが倒れこむ音がした。
砂埃が消えていくと、それが誰だか、はっきりと見えた。








珂日:「へへ。捕ったぜ、バカ野郎・・・」








修吾:「・・・ぁ」
川崎:「な、何!(珂日の奴、カバーなんてできたか?)」
誰もが目を見張るようなファインプレーだった。
修吾のグローブに当たった打球は、やや失速し、そこへ珂日が自分の足を限界まで走らせダイビングして捕球したのである。
修吾:「ぁ、あんた、やる気なかったんじゃ・・・」
修吾が驚いた顔で言うと、珂日はそっけなく答えた。

珂日:「俺より年下の野郎に胸座つかまれた・・・。気にいらねぇ。絶対見返す、ただそれだけだ・・・」

珂日の言葉に、修吾は驚くばかりであった。




その後高井は、後続をセンターライナーとピッチャーフライに討ち取り、1点を失いマウンドを降りた。
高井:「豊、すまん。次のイニングはいけそうもない」
猿鳶:「大丈夫。グットピッチングだったよ。次のイニングからは、別の投手で行く」
高井:「そうか・・・。本当は5回まで、投げたかったんだけどね・・・」
高井は、最後は声にならない声で猿鳶に何かをつけると、ベンチに重い腰をゆだねた。
一方、A組の打線は1回に爆発し3点を奪ったものの、2回は、工藤と仲嶋が塁に出るものの、2番打者の川相が2球粘るものの三振。
3回は、修吾がセンター前へ鮮やかにヒットを放つが、安は打席に立っただけの見逃し三振、斉藤は四球で出るものの、木村が適当なスイングでゲッツーになりチェンジだった。
事実上、4回の裏は、新庄に変わって守備から出場した珂日が打席に入ることになる。
珂日が打席に向かおうとすると、安が呼び止めた。




安:「ォィ、何だよ珂日!裏切ったのカ、俺たちを!」
安は険しい目つきで珂日をにらむ。だが珂日は、逆にガンを飛ばした。




珂日:「もうやめた」




安:「Waht?」






珂日のいった言葉が、安には理解できなかった・・・。









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