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第十二話  爆発した怒り







珂日:「なんだよ、新入り・・・先輩にそんなことしていいと思ってんのか?ぉぃ」



珂日は修吾に胸座をつかまれている。
それは先ほどのことだ。いきなりこのルーキーが自分に向かって飛び掛ってきたのだ。
驚いたと思えば、ものすごい剣幕で自分を睨んでいるではないか。




猿鳶:「修吾君、やめるんだ!」
山江:「(感情が走りやすいやつだな・・・)」
石原監督:「・・・」




主審:「こら、キミ!やめないと退場処分に・・・」
修吾:「今そんなときじゃないだろうが!すぐ終わらせますからちょっと待ってくださいよ!」
威圧に押され、主審は何もいえない。そのまま様子を眺めるしかなかった。
両ベンチの人間は呆然としている。
一塁上の大西も、スタートを切ればいいものを、インプレイ中だということを忘れ、ただその場を眺めるしかできなかった。
ここで主審がとりあえずタイムをかける。
珂日の胸座は、まだ修吾につかまれている。






修吾:「あんた、野球をなめてるんじゃないのか?」
珂日:「何だよ、新入り・・・どういう・・・」
修吾:「なんだよ、あんた!俺は2年前に何があったか知らないけれどさ、俺ら1軍に上がるためにこの紅白戦を必死でプレイしてるんじゃないのか?それをボイコットみたいな形であのファーストのやつとレフトのやつ、後はベンチの人間とつるんでさ!そんなに、猿鳶コーチが気に食わないの?全くもってわかんねぇ。確かにあの人は、同僚びいきしているのは俺だってわかる。客観的に見ても、主観的に見てもさ。だけど、そんなに気に食わなかったら、こんな形じゃなくて、ちゃんとした自分の実力で見返してやろうとはあんたたちは思わないのかよ!がっかりだぜ!そんなにひねくれた根性しているのか、あんたたちは!」
珂日:「・・・」
修吾:「斉藤さんみたいなベテランは、いつ首を切られるかわからねぇ。だけど、それでも必死に若手もベテランも陽のあたる場所を目指しているじゃないか!なんだよ、あんたは!自分が2軍生活が長いからってそうやって自己中心的に考えて。ファーストの韓国人と、ベンチの若い投手、あとはレフトの奴!あんたら、野球が好きじゃないのか?ぉぃ!見苦しいプレイばっかりしやがって!そういうのみてると、腹が立ってくるんだよ!俺は!」
修吾は、思いの丈を全てぶち込めている。
それもこれも、中学、高校時代の苦い経験からだ。
大切な人を亡くし、仲間に裏切られ、信頼できる仲間と目指した栄光には届かなかったあの苦痛の日々。
それを思い出すと、このように自分たちのしてきた行動を正面から否定するようなプレイをする、いい年した奴らが、修吾にとっては気に食わなかった。
正義感が強いほうだ、そうも考えられた。
珂日:「離せよ、竹内・・・退場になりたくなかったらな・・・そんなんじゃ、1軍は程遠くなるぜ・・・」
さっきまでのへらへらした態度とは違い、珂日は落ち着いた声で胸座をつかんでいた修吾の右手を振りほどいた。





主審:「それでは、試合を再開します」
頃合を見図り、主審が試合の再開を宣言した









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