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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第一話  最初の夜






午後7時40分。
修吾は、キラーズの寮の前にいた。
この寮から、彼の野球生活の第一歩が始まる。
しみじみと感激に浸っていると、傍にいた老人に声をかけられた。
老人:「あんたじゃろ。竹内って選手は」
どうやら彼は、この寮の寮長らしい。大の麻雀好きで、大三元や三色ホンイツなどを、難なくと成功させる、かなりの賭博師だ。
名前は、高木 住男といい、キラーズの寮長を20年やっているというかなり元気なオジイ様だ。
すみお:「ボーっとたっとらんで、中に入りなしゃんせ。アンタの部屋は、準備済みだよ」
すみおに手招きされて、修吾は寮の中へと足を踏み入れた。
すみお:「土足でかまわんよ。土はそこのマットで払っとくれ」
修吾:「ぁ、はい・・・」
修吾は、指示されたとおりに、汚れている靴の裏側を丹念にマットで拭いた。
すみお:「さぁ、アンタの部屋は3階だよ。早くあがりゃんせ」
この寮は5階建てで、1階は、おもに応接間や食堂として使われている。すみおの部屋は1階だ。
2階から5階までは、選手たちの部屋で、間取りは、2LDK。しかしそれでも、6畳12畳とはあるから、それほど狭くはない。
すみお:「ほれ。ついたよ。305号室の鍵じゃ。大事に使いなさんせ」
すみおはそういって、鍵をひょいと投げた。修吾は、慌てて鍵をキャッチする。
すみお:「飯はどうするよぅ?」
修吾:「今日は、近くのコンビニで済ませます」
すみお:「そうけーそうけー。じゃけん、ごみはポイ捨てするでないで」
修吾:「わかってます。それじゃ、おやすみなさい」
すみお:「あぁ、おやすみ。いい夢見ろよ、ルーキー!」
そういってすみおは、階段をくだり始めた。
修吾は、渡された鍵を頼りに、305号室を探し始めた。
と、とたんに301号室の鍵が開く。
謎の選手:「だから、それじゃオレは契約しないって。去年より2000万落ちてるって冗談じゃないよ。一軍でも、代打と守備で結果出してる・・・はぁ?500万上乗せだ?ふざけんな。あと1500万たんねーよ!ったく、明日そっち向かいますから。えぇ、じゃっ」
彼は、あらあらと携帯電話の電源を切った。そして、立ちすくむ修吾のほうに振り向いた。
謎の選手:「ぉろ。今日入団発表やってたルーキーじゃん。この寮に入ることになったの?」
修吾:「ぇ、ええ」
謎の選手:「竹内だっけ?三塁手だよな。オレは、珂日 信哉。珂日でけっこう。まぁ、お前よりは年上で、経験も豊富だが・・・」
修吾:「いま、球団事務所ともめてたんじゃないですか?年棒のことで」
珂日:「マジで判っちゃった?そりゃ、あんな大声で話していれば、おのずと理解しちゃうよな。OK,OK。お前、何号室?」
修吾:「305ですけど・・・」
珂日:「ぉ。そこは惜しかったなぁ。川崎さんが使ってたのは、405号室だったんだぜ!」
修吾:「本当ですか?」
珂日:「でも、そこは今、仲嶋って言うのが使っているから諦めな。お前よりはすごい選手のはずだ」
修吾は少しがっくりとしたが、すぐに立ち直り、珂日と簡単に会話を交わし、305号室のドアを開けた。
修吾:「げふっ・・・。ほこりだらけ・・・」
長年使われていなかったためか、305号室は埃だらけだった。
しかし、そのハウスダストの隙間から、色鮮やかな夜景が堪能できた。
修吾:「こりゃいい。一枚、とっておこうかな?」
修吾の趣味は、広く、友人も多い。テニスにサバイバルゲーム、ゴルフに将棋など・・・。若年層から高年層まで、ネットワークはかなり広い。
カメラは、将棋をやっていたカメラショップのオヤジさんから教わった。
三脚をたて、ピントを合わせる修吾。
色鮮やかに染まった暗闇に、チカチカと光るネオンやビルの明かり。そして、家路を急ぐ人々。
ネオンの光は、黄金に輝くように見え、ビルの明かりは、ろうそくのようにぼぅっと灯って見えた。
修吾:「3,2・・・1・・・」
カシャっ。
修吾はシャッターを押し、そのデジカメを持ってきたノートパソコンと簡易プリンターで印刷する。
修吾:「ここに来て初めての写真だな」
と、しみじみと写真に浸っていた・・・。



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