そしてあれからあっという間に時間が過ぎ・・・今日は2月14日のバレンタインデー・・・☆
朝はいつものようにお家を出て・・・・・・途中でみんなと会って・・・・・・学校に着いて・・・・・・お勉強をして・・・・・・
でも・・・可憐の心の中は、いつもの日とは大きく違っていました・・・・・・。
放課後になると、可憐は急いで校門の前まで駆けつけました。
今日のことは、まだお兄ちゃんには詳しくお知らせしていなくて・・・・・・。
みんなで校門のところでお兄ちゃんをお迎えしよう・・・ということになりました。
そこには少し早めに授業が終わった花穂ちゃんと雛子ちゃん、そして時間に余裕を持って療養所を出てきた
鞠絵ちゃんが来てくれていました。
それからしばらくして・・・咲耶ちゃん、春歌ちゃん、白雪ちゃん、衛ちゃん、鈴凛ちゃん、四葉ちゃんも
集まって来てくれました。
みんな・・・もう今日のことで頭と心の中はいっぱいのようです・・・うふふっ☆
あと・・・まだ来ていないのは、千影ちゃんと亞里亞ちゃん・・・・・・。
お兄ちゃんも・・・まだこちらに来る様子はないみたいです・・・・・・。
またしばらく時間が経つと・・・・・・今度は聞き慣れた馬車の音がしてきました。
どうやら、いつも亞里亞ちゃんが乗っている馬車のようです。
でも、その馬車はいつものものよりも一回り大きくて、ここにいる可憐たち全員が乗れるかもしれない・・・・・・
と思うほどの大きさでした。
馬車が校門のところまで来ると、ちょうど停まって・・・中からは亞里亞ちゃんと千影ちゃんが降りてきました。
亞里亞ちゃんはまだお兄ちゃんが来ていないことに安心しつつも、お兄ちゃんの姿がまだ見えないことで
ちょっと淋しそうに見えました。
でも、千影ちゃんは・・・何か、知り尽くしているような・・・そんな笑みが見えたような気がしました・・・・・・。
・・・・・・それからしばらく経っても・・・・・・お兄ちゃんが現れる様子はありませんでした・・・・・・。
みんな・・・どうしたんだろう?・・・という思いがしてくる中・・・・・・唯一・・・千影ちゃんは・・・・・・。
「・・・・・・フッ・・・・・・兄くん・・・遅いな・・・・・・。でも・・・大丈夫・・・もうすぐ・・・ここに来るよ・・・・・・」
そう千影ちゃんがみんなに伝えると、校舎の方からお兄ちゃんが走ってくる姿が見えました☆
みんな、口々にお兄ちゃんのことをを呼ぶと、一斉にお兄ちゃんのもとに走り寄りました。
「あにぃ、遅いよ!」
「そうデス!兄チャマ、待ってたデスよ!」
そう、みんながお兄ちゃんに心配していたことを伝えると、お兄ちゃんは・・・・・・・。
「ごめん、ごめん!ちょっと時間まで待ってようと思って・・・教室でうたた寝していたら、遅くなっちゃって・・・・・・」
「えっ!?・・・時間って・・・?」
可憐がお兄ちゃんにそう訊くと、
「あっ!・・・それは、千影ちゃんから・・・今日は少し時間を置いてから教室から出るといいよ・・・って聞いたから
なんだけどね・・・・・・」
お兄ちゃんは可憐たちに・・・ちょっと申し訳なさそうにして、そう答えてくれました。
どうやら千影ちゃんが、可憐たちが集まる前に、お兄ちゃんが学校から帰ってしまわないようにしてくれたとの
ことでした。
その後はみんなで亞里亞ちゃんのお家の馬車に乗り、ある場所に行くことになりました。
着いた場所は、亞里亞ちゃんのお屋敷・・・・・・。
実はこの前の日・・・可憐たちの何人かで亞里亞ちゃんのお家に行ったときのこと・・・・・・。
可憐や白雪ちゃんたちが、それまでに感じていた何か足りないものが何かがわかったとき・・・・・・、
可憐たちは手分けしてその場に居なかったみんなに連絡して、亞里亞ちゃんのお家に集まってもらうことに
しました。
みんなが集まったあとに、可憐と白雪ちゃんとで、その時の様子をみんなに説明しました。
すると、その時に居合わせていなかった咲耶ちゃんたちも、それが何であるかがわかったようでした。
そのあとは、亞里亞ちゃんのお家のキッチンを借りて、みんなで一斉にチョコレート作りに取り掛かることに
なりました・・・・・・。
そして、できあがったものは、みんなの気持ちをひとつにできたものでした・・・・・・。
可憐たちは、キッチンのそばの・・・お兄ちゃんに渡す大切なものが置いてあるお部屋に入りました。
そして、咲耶ちゃんの案内で、お兄ちゃんには最後に入ってきてもらい、可憐たちはみんなで心をひとつにした
大切なものをいっしょに持って、お兄ちゃんに手渡しました。
「お兄ちゃん、可憐たちの気持ちを受け取ってください」
可憐がみんなを代表してお兄ちゃんにそう伝えると、お兄ちゃんはとってもビックリして・・・・・・・。
「あ、ありがとう・・・みんな・・・・・・」
お兄ちゃんはそのあとの言葉がうまく出てこないみたいでした・・・・・・。
そして、お兄ちゃんにはその包みを解いてもらうことにしました。
その箱の中には、約30cm四方はあるハート型のチョコレートケーキが入っていました。
実は、みんなでひとつのものをということになって、全部をチョコレートにするよりは、チョコレートケーキに
しましょうということになりました。
可憐と白雪ちゃんが中心になってケーキのベースを作り、みんなでチョコレートを溶かしてケーキに
デコレーションをして、そして可憐たちみんなの心からのお兄ちゃんへのメッセージをホワイトチョコレートで
書き綴ることにしました。
そのメッセージは・・・・・・。
『お兄ちゃん 大好きです!』
『お兄ちゃま いつも応援しているよ!』
『あにぃ これからもいっしょだよ!』
『お兄様 ラブよ!』
『おにいたま ダイダイダ〜イ好き!』
『兄上様 これからも心だけは常にいっしょでいてください』
『にいさま 心をいっぱいに満たしてあげたいですの!』
『アニキ これからも期待していてね!』
『兄くん 心はひとつだよ』
『兄君さま 心からお慕いしております』
『兄チャマ 兄チャマの秘密がなくなる日までチェキです!』
『兄や みんなといっしょ』
そして、中央には大きく・・・・・・。
『★★これからもいっしょに仲良くしてね♪お兄ちゃん★★』
そのあと、しばらくはお兄ちゃん・・・順番にメッセージを読んでくれて・・・・・・可憐たちの心から想っている
気持ちを受け取ってくれたみたいでした☆
そして、昨日の夜から準備していたお料理を出して、その場はみんなでいっしょにバレンタインパーティーを
することになりました。
パーティーでのお食事が済んだあとに、いよいよお兄ちゃんがチョコレートケーキを食べることになったとき、
「僕だけが食べるのは・・・どうも・・・・・・。みんないっしょなんだから、僕は・・・みんなで食べたい・・・な・・・・・・」
お兄ちゃんは可憐たちにそう言ってくれて・・・・・・。
みんなでいっしょに食べたチョコレートケーキは・・・みんなの心がひとつになれた・・・・・・
そんな気持ちで心の中がいっぱいに満たされていきました・・・・・・・・・・・・。
(第6話 〜エピローグ〜 に続く)