みんなと、そしてお兄ちゃんとのあの日から早くも1ヶ月が過ぎ・・・・・・今日は3月14日☆
実は昨日、学校から帰ってきて・・・お家のポストの中を見てみると、可憐の大好きなお兄ちゃんからのお手紙が
届いていました☆
そのおにいちゃんからのお手紙には・・・こう書かれていました。
『可憐ちゃんへ
明日学校が終わったら、僕の家に来てくれないかな?
可憐ちゃんやみんなに渡したいものがあるんだ。
詳しいことは明日までのお楽しみ・・・だからね!
兄より』
うふふふっ・・・何だろう・・・お兄ちゃんが可憐たちに渡したいものって・・・・・・☆
今日はホワイトデーだから、この前のバレンタインのお返しなのかな・・・・・・?
それとも・・・・・・・キャッ☆・・・・・・ううん・・・みんなにだから、それは違うよね・・・・・・えへへっ☆
そして可憐は今、学校が終わって咲耶ちゃんと花穂ちゃんと雛子ちゃんとでお兄ちゃんのお家に向かっている
ところです。
「それにしても・・・お兄様が私たちに渡したいものって何かしら?・・・可憐ちゃんたちは何だと思う?」
「う〜ん・・・可憐は・・・・・・思いつかないです・・・・・・」
「花穂も・・・・・・」
「ヒナは・・・ヒナは・・・・・・ウ〜ン、わかんない!」
可憐たちがそう答えると咲耶ちゃんは・・・・・・。
「そうよね。ホワイトデーのお返しなら・・・普通ならキャンデーだけど・・・・・・」
「うん・・・去年まではそうだったけど・・・・・・今年は、可憐・・・何か違うもののような気がするな☆」
そう考えてながら歩いていると、可憐たちの後ろから・・・・・・。
「キャッホー!可憐ちゃん、咲耶ちゃん、花穂ちゃん、雛子ちゃんチェキデス!!」
「や〜!みんなおそろいじゃない!?あたしたちもいっしょにいいでしょ?」
「みんなもあにぃの家に行くんでしょ?ボクたちもいっしょに行っていいよね?」
「姫はにぎやかなのが楽しくていいですの!」
「ええ!全然構わないわよ!!みんな行くところはいっしょ!・・・お兄様のお家なんだから☆」
これだけの人数で歩いていると、少し目立っちゃうかな?
・・・・・・でもいいよね・・・今日は特別な日になりそうだから☆
そしてようやくお兄ちゃんのお家が見えて、その家の前には・・・・・・。
千影ちゃん、春歌ちゃん、鞠絵ちゃん、亞里亞ちゃんが立っているのが見えました。
みんな、お兄ちゃんのお家の前まで来たところで、可憐は玄関の前で立っている千影ちゃんに訊いてみました。
「あっ!千影ちゃん・・・もしかして、まだお兄ちゃん・・・帰ってきてないの?」
「やあ!可憐ちゃん!・・・・・・いいや・・・・・・兄くんはもう帰ってきているようだよ・・・・・・
中からは兄くんの気配がするからね・・・・・・」
「そうなの〜!・・・じゃあ、もしかして・・・可憐たちのことを・・・・・・?」
「あぁ!・・・・・・ここは・・・・・・みんなが揃ったほうが良いと思ってね・・・・・・フフフ・・・・・・」
「そうですわね!・・・やはりここはみなさんお揃いのほうが良いかと・・・・・・」
「私も・・・・・・」
「亞里亞・・・早く兄やに会いたいけど・・・・・・みんなといっしょがいい・・・・・・」
みんな全員がお兄ちゃんのお家の前で集まったところで、可憐はお兄ちゃんのお家のインターホンを鳴らす
ことにしました。
しばらくすると、お家の中からお兄ちゃんが出てきて、みんな一斉にお兄ちゃんのことを呼んだものだから、
お兄ちゃん・・・ちょっとビックリしちゃってたみたいです・・・・・・えへへっ☆
お家に上がったあとは、みんなでお茶をしながらお話ししたりしていたけれど・・・・・・。
ちょうどみんながお話しを止めたところで、お兄ちゃんは・・・・・・。
「今日みんながこうして集まってくれたのは・・・昨日みんなのところに僕からの手紙が届いたからだと
思うんだけど、・・・その手紙で書いた通り、今日は僕からみんなに渡したいものがあるんだ・・・・・・」
そう言って、お兄ちゃんはいったん可憐たちのいるお部屋から出ると、少ししてから・・・プレゼント用に
包装された箱をたくさん持って戻ってきました。
お兄ちゃんがテーブルの上に持ってきたものを置くと、箱の数は全部で13個・・・正確にはきれいに
包装された箱が12個と普通に包装されている箱が1個だけありました。
お兄ちゃんは可憐たちに一人一箱ずつ手渡してくれました。
みんなが一通りお兄ちゃんからのプレゼントを貰うと、お兄ちゃんは可憐たちに包みを解いて中を開けてみる
ように言ってくれました。
すると、その箱の中には・・・・・・。
仲のいい二羽の小鳥のお人形さんがセットになっているステキな置き物が入っていました☆
小鳥さんが乗っている台座は木で出来ていて形は丸みを帯びた台形のようになっていて、その中には小さい
アクセサリーとかを入れられそうな引き出しのようなものがついていました。
その中を開けてみると、可愛い包装紙に包まれたキャンデーがたくさん入っていました!
亞里亞ちゃんや雛子ちゃんは、早速お口に入れてご機嫌みたいです・・・うふふふっ☆」
でも・・・小鳥さんの種類やしぐさは・・・みんな別々で全く同じものは見当たらないようでした。
可憐の場合は、それはまるで・・・今の可憐とお兄ちゃんのようで・・・・・・、他のみんなのものも同じように
なっているようでした☆
みんなでお互いに見せ合ったりしていたけれど・・・、そんな時・・・・・・。
「そうそう!このテーブルの上にみんなの分を並べて置いてごらん!」
とお兄ちゃんが可憐たちにそう言うと、みんな順番に並べていくことにしました。
すると・・・中心を空洞にして、ちょうど円の形になりました!
みんなはビックリして、四葉ちゃんは・・・ドーナツかバウムクーヘンみたい・・・って言っていたけど、
本当にそんな感じがしました!
その可憐たちの様子を見ていたお兄ちゃんは、
「実はまだ・・・もう一つあるんだ・・・・・・」
そう言って、まだ一つ残っていた箱を取り出すと・・・・・・。
「みんな・・・目を瞑ってくれるかな?」
・・・と、お兄ちゃんにお願いされたので、可憐たちは静かに目を閉じることにしました・・・・・・。
しばらくして・・・お兄ちゃんが、
「もう・・・いいよ」
って言ってくれたので、目を開けると・・・みんなが並べた置き物の中心には、白鳥のお人形さんが乗っている
置き物が、うまく収まる形で置かれていました。
真ん中には一羽の少し大きな白鳥さんがいて、その周りには十二羽の少し小さめの白鳥さんが仲良く取り囲む
ようになっていました。
まるでそれは・・・お兄ちゃんと可憐たちのこれからの姿を表しているようでした☆
「僕たちは今・・・みんな離れ離れになって、別々で暮らすようになっているけど・・・・・・
でも・・・いつでも僕たちはいっしょ・・・だよ・・・・・・。
この前のバレンタインでみんなからもらった心の気持ちを、バレンタインのお返しとして僕も応えようと
思ったんだけど・・・・・・受け取ってくれる・・・かな?・・・・・・」
そのお兄ちゃんの心からの気持ちに・・・可憐たちは・・・・・・。
「お兄ちゃん・・・はい!喜んで!!・・・・・・可憐、とってもうれしいです☆」
「お兄ちゃま〜!花穂もだよっ!!」
「あにぃ・・・ボクも・・・いっしょだよ!」
「お兄様・・・私も・・・もちろん・・・いつまでも・・・ね☆」
「おにいたま〜!ヒナも同じだよ!!」
「兄上様・・・・・・私も・・・同じ気持ちでいっぱいです・・・・・・」
「にいさま!・・・姫も・・・にいさまのその気持ち・・・いただいちゃうですの!」
「アニキ!・・・私も・・・アニキの気持ち受け取ってあげちゃう!」
「兄くん・・・・・・私も・・・・・兄くんのその気持ち・・・・・・確かにいただいたよ・・・・・」
「兄君さま・・・ワタクシも・・・精一杯受け取らせていただきますわ!」
「兄チャマ・・・四葉も・・・これで兄チャマの気持ちをチェキできたデス!」
「兄や・・・・・・亞里亞も・・・いっしょ・・・です・・・・・・」
お兄ちゃんにお返事をした可憐たちは、お兄ちゃんにお礼を言って、それぞれのホワイトデーのお兄ちゃん
からの心からの贈り物を手にし、お家に帰ることになりました・・・・・・。
きっとお家に帰っても・・・可憐たちはみんな・・・心では一つに繋がっていることを確かめ合ったから・・・・・・
もう淋しく思うことは・・・なくなるのかもしれません・・・・・・。
お兄ちゃんからもらった心からの気持ちを胸にして・・・・・・・・・・・・。
(おしまい)
(あとがき)いかがでしたでしょうか?当初はバレンタインデーだけのつもりでしたが、結局ホワイトデーまで繋げて
しまいました(汗&笑)。しかも初の妹全員登場SSとなり、なかなか苦労したりもしましたが、これで
やっと自分の中での妹たちが出来上がったかな・・・と思っています。
さらに苦労したのは、バレンタインのチョコレートを最終的にどういう形にするかといったことや、
ホワイトデーのお返しをどうするかということでした。バレンタインの方は、全員で一つの形にしたり、
大きさや後でみんなで食べることも考えて、丸々チョコレートにするよりはチョコレートケーキにした方が
よりいいだろうということになりました。
また、ホワイトデーの方はさらに悩みましたが、これについては神の啓示のようなものを受けました。
14日の朝の通勤中、渋滞待ちで車を一時停止したときのことですが、ある二羽の小鳥が仲良く
こちらの方に飛んできていたのですが、なんとその小鳥たちは自分の車のドアミラーに・・・チョコンと
並んで止まったのです!!ほんのわずかな間でしたが、その仲良くしている姿には思わず・・・・・・
シスプリの兄と妹が仲良くしている姿を思い浮かべていました。普段なら何気ない光景かもしれません
が、SSの構想で悩んでいた自分にとっては一気に光が射してきたように思われました(微笑)。
それにしても案外、日常生活も捨てたものじゃないな〜と思ったしだいでした!(笑)
なお、今回のSSはプリピュアの第13話「ピュアクリスマス」の後のことを想定して書いていますが、
ある意味・・・プリピュアのバレンタイン・ストーリーとも言える内容になっているかもしれません(笑)。
今回は約一ヶ月に渡ってSSを書いてきましたが、とりあえずこれでプリピュア設定のSSでは書きたい
ことは書けたかな・・・とも思っています。(DVDが全巻出たら、また書くかもしれませんが・・・・・・)
今度のSSは、「シスプリ2」が出ることもあるので、気分を新たにゲーム設定のSSを書いてみようかな
・・・と考えていたりもします。
それでは、また次回をお楽しみに〜!!