そして、バレンタインデーまであと2日となった日の朝のこと・・・・・・。
可憐は、登校の途中で白雪ちゃんと会いました。
「あっ・・・白雪ちゃん、おはよう」
「可憐ちゃん、おはようですの!」
それからしばらく歩きながらのお話は・・・やっぱりバレンタインデーのチョコレートのことになってしまいました。
でも、結局答えは出なくて・・・・・・。
すると・・・少し離れたところからとても聞き覚えのある女の子たちの声がしました。
「あ〜!!可憐ちゃんと白雪ちゃん、チェキデスー!!」
「あれ〜!?お二人さん、どうしたの〜?朝から真剣な顔して〜・・・・・・」
その女の子たちは、四葉ちゃんと鈴凛ちゃんでした。
「四葉ちゃん、鈴凛ちゃん、おはよう。うん・・・・・・」
「おはようですの!・・・え〜と、姫たちはその・・・・・・」
その後、可憐と白雪ちゃんは鈴凛ちゃんと四葉ちゃんに今までのことをお話しすることにしました。
するとやっぱり鈴凛ちゃんたちも、その何か・・・を感じているようでした。
「う〜ん、最初は普通に売っているのでもいいかな〜と思っていたけど、どうもそれだと満足できなくて・・・・・・」
「四葉は、鈴凛ちゃんといっしょに手作りチョコにチャレンジしたデス!」
「それで・・・チョコレートはどうなったのですの?」
「うん、まあまあだったかな・・・あはは・・・・・・」
「さすがに鈴凛ちゃんと二人だけでというのは無謀だったみたいデス!」
「ちょっと〜!四葉ちゃん〜!?・・・それどういう意味〜!?」
「えっ!?・・・あ〜!間違えてしまいました。「無謀」じゃなくて「無理」の間違いデス!」
「それって・・・あんまり意味が変わってないような気がするんだけどな〜!」
その直後は・・・もうみんなで大笑いしてしまいました。
可憐と白雪ちゃんは鈴凛ちゃんと四葉ちゃんにチョコレートの作り方を詳しく教えてあげることにしました。
鈴凛ちゃんは・・・ああ、なるほど・・・といった感じで聞いてくれて、四葉ちゃんはというと・・・次々にメモを
取ってうなずきながら聞いてくれていました。
そしてこのあとは・・・学校の前まで来ると、白雪ちゃんとはまた放課後に会う約束をして、みんなとは別れて
学校の中に入ることにしました。
そうしてお昼休みになって、クラスのお友達といっしょにお昼ごはんを食べたあと・・・・・・。
可憐のいる教室に花穂ちゃんと雛子ちゃんが訪ねてきました。
何か可憐にご用があるみたいです。
「あっ・・・花穂ちゃん、雛子ちゃん・・・どうしたの?」
「・・・うん、あのね・・・可憐ちゃんは・・・その・・・バレンタインデーのチョコレートは・・・もう作っちゃった
・・・のかな?・・・って・・・・・・」
「あのね、あのね、ヒナはね・・・おにいたまにあげるチョコ・・・買ったんだけど・・・・・・それだけじゃ・・・・・・
なんだかサビシイの・・・・・・。だから・・・可憐ちゃんだったら・・・・・・ヒナのこのサビシイのが・・・・・・
何かわかるかなって・・・・・・」
「可憐は・・・チョコレート・・・作ってみたけど・・・・・・」
「わ〜!可憐ちゃん、もう作っちゃったの〜!!・・・花穂・・・まだこれからだよ・・・どうしよう〜・・・・・・」
「あ〜!?ヒナも作りたいー!!」
「可憐もまだできたわけじゃないから・・・・・・あ、じゃあ・・・今日学校が終わったら、可憐のお家に来る?」
「うん!花穂、可憐ちゃんのお家に行く!」
「ヒナも、ヒナも行く〜!」
「うふふふっ・・・じゃあ、今日の授業が終わったら、校門のところで待ち合わせね!
あっ!そうそう、白雪ちゃんもいっしょだからね!」
「は〜い!花穂、すぐに行くからね!」
「ヒナもすぐ行くから待っててね、可憐ちゃん!」
そうして花穂ちゃんと雛子ちゃんは、可憐のいる教室からそれぞれの教室に戻っていきました。
でも・・・花穂ちゃんたちのお顔には・・・来たときにはなかった笑みが見えていました・・・・・・。
ちょうどその時・・・白雪ちゃんの学校では・・・・・・。
「白雪ちゃ〜ん!」
「あらっ!?衛ちゃん、どうしたんですの?」
姫がお昼にしようとしたその時・・・姫のいる教室にお弁当箱を持った衛ちゃんが入ってきました。
普段は同じクラスの仲のいいお友達といっしょにお弁当を食べるのですけど・・・・・・。
今日はせっかくだから、衛ちゃんといっしょにお昼を食べることにしましたですの.。
そうして向かい合わせになってお弁当を食べながら、姫は衛ちゃんのお話を聞くことになりました。
「あのね・・・白雪ちゃんは・・・もう・・・あにぃにあげるチョコレートは準備した?」
「・・・・・・姫は・・・作ってみたのですけど・・・・・・まだ・・・ちょっと・・・・・・」
「じゃあ・・・その・・・よかったらでいいんだけど・・・、いっしょにチョコレート作りしてくれないかなって・・・・・・。
今までは買ってきたのをそのままあにぃにあげてたけど・・・・・・もうそれだけじゃ・・・何か物足りない気が
してきて・・・・・・。でも、さすがにボク一人でチョコレート作りなんてできないから・・・・・・」
「うん、もう!衛ちゃんったらっ!!水くさいですの!!姫にそんな遠慮は無用ですのよ!」
「あ、ありがとう!白雪ちゃん!!」
「あっ、じゃあ・・・今日学校が終わったら、さっそく取り掛かるですの!・・・衛ちゃん、放課後に白並木学園の
校門の前で集合ですのよ!」
「えっ!?この学校の校門じゃなくて・・・?」
「あ、あのね・・・実は、今日の放課後は可憐ちゃんとそこで会う約束をしているからなんですの!
・・・衛ちゃん、可憐ちゃんといっしょでも構いませんわよね?」
「うん!全然構わないよ!!可憐ちゃんもお菓子作りは上手だから、ボクは大歓迎だよ!!」
そうして、お昼ごはんの時間が終わって、衛ちゃんはいつもの元気と明るさを取り戻して、自分の教室に
帰っていきました。
衛ちゃんの様子を見て・・・・・・姫もなんだか・・・またチョコレートを作る気力が湧いてきましたですの!!
今日の放課後が・・・なんだかとっても楽しみになってきましたですの・・・・・・・・・・・・。
(第4話に続く)