第8回 「ピュアハート」
 可憐は今・・・白雪ちゃんと咲耶ちゃんとで、いっしょにベティーズにお買い物に来ています。
今年も年が明けたと思っていたら、もう2月になってて・・・・・・。
女の子にとっては、とってもとっても大切な日が近づいてきているんです。
そう・・・それは・・・・・・St.バレンタインデー・・・・・・。

 可憐は今年も手作りのチョコレートを用意するつもりで白雪ちゃんといっしょにお買い物に行く予定を
していたけれど、咲耶ちゃんも今年は手作りにしたいってことだったので、じゃあいっしょにってことになりました。
「ねえねえ、可憐ちゃん・・・チョコレートはどれにしたらいい?」
「あっ!板チョコなら好みでどれでもいいと思うよ」
「うふふっ・・・にいさまの好みは・・・・・・」
今は白雪ちゃんと咲耶ちゃんとで材料のチョコレートを選んでいます。
もちろん、お兄ちゃんの好みに合う合わないを言いながら・・・うふふっ☆
そして次は・・・チョコレートの形を作る型や道具を選ぶことになりました。
「いろんな型があるね・・・ハートの形やお星様・・・・・・。咲耶ちゃんはどれにするの?」
「う〜ん、どうしようかしら・・・・・・?いっぱいあって困っちゃうわね・・・・・・」
「もしいいのがなかったら・・・姫が持っているのを貸してあげるですの!」
可憐と白雪ちゃんはお菓子作りのお道具は一通り揃えているから、買ったものはチョコレートや飾りつけの
食材とラッピングに使う材料くらいだったけど、咲耶ちゃんは他にもいろいろと買っていたみたいでした☆

 お買い物が済んでからは、ベティーズを出て咲耶ちゃんたちといっしょに街中をお散歩することにしました。
「そういえば、もう去年のクリスマスからけっこう日が経っちゃったのね・・・・・・」
「うん、でも・・・あの時のパーティーとっても楽しかったね♪」
「姫もお料理とスウィーツを頑張って作ったかいがありましたの☆」
「そうね、いろいろあったけど・・・あの日の夜はとっても素敵な夜だったわ・・・・・・」
可憐と咲耶ちゃんは、お兄ちゃんとみんなとで楽しく過ごした去年のクリスマスパーティーのことを
思い出していました。
「またしばらくして・・・お正月にまたみんなで会った時も、もちろん楽しかったけどね!」
「うん、そうね。みんなでお兄ちゃんのお家に集まって・・・楽しかったな〜♪」
「みんなでやったゲーム大会も楽しかったですの!」
そうして楽しかった時の思いに更けながら・・・・・・しばらく歩いてから可憐は咲耶ちゃんたちと別れてお家に
帰ることにしました。

 お家に戻ってきた可憐は、まだ作る始めるのにはちょっと早いと思ったけど・・・材料を見ていたらじっとして
いられなくて・・・・・・可憐の足は自然とお台所に向かっていました。
材料は少し多めに買ってきたので、練習も兼ねて作ってみることにしました。
まずお鍋にお湯を用意してその中に小さいボウルを入れます。
次にその中に細かく刻んだチョコレートを入れます。
チョコレートの温度があまり上がりすぎないように注意しながら溶かしていきます。
溶けきったらボウルをお鍋から出して、氷水につけてチョコレートを冷やしていきます。
チョコレートが少し固まりかけたら、もう一度さっきのお鍋の中にボウルを入れて、チョコレートが少しだけ
軟らかくなるまで溶かしていきます。
そして、ハート型のアルミケースにチョコレートを流し込みます。
表面が固まりかけたら、飾りつけをして・・・そしてそしてその後に・・・可憐は・・・・・・
『可憐の大好きなお兄ちゃんへ』
って、ホワイトチョコレートで線描きをしちゃいました・・・キャッ!!

 それからしばらくして・・・・・・完全に冷えて固まったチョコレートを見て・・・・・・、
可憐は・・・うまくできたほうかなとは思ったけど・・・・・・。
可憐の心の中では・・・まだ何か足りないものがあることを感じ始めていました・・・・・・・・・・・・。


 可憐がそうしていた頃の白雪ちゃんはというと・・・・・・。

「さっそく完成ですのっ!!」
姫、バレンタインの日まで待ちきれなくて・・・にいさまに贈るチョコレートを作ってしまいましたの!
今年は去年よりもまた一回り大きくなっちゃったけど・・・・・・それだけにいさまへの姫の気持ちが一年分
大きくなったからなんですのよ☆
姫のにいさまなら・・・きっときっと、姫の気持ちごと・・・ぜんぶ食べてくれるに違いないですの!
・・・・・・でも、姫・・・何かもっと・・・・・・よく分からないけど・・・・・・何かもっと大事なことがあったような気が
しているんですの・・・・・・・・・・・・。


  (第2話に続く)
(まえがき)今回は一年のうちで女の子にとってはとても大切な日であるバレンタインの日を前にして、
      可憐ちゃんと白雪ちゃん、そしてみんながお兄ちゃんへの気持ちを伝える準備をするところから
      始まるお話です。
      なお、お話の設定はプリピュア(アニメ Re Pure)になっていますが、まだ観られていない方が
      読まれても大丈夫なように書いていますので、安心してお読みくださいませ〜☆
      それでは、まず準備編のプロローグからどうぞです〜!