第1弾は、「可憐&雛子 夏の海水浴イラスト」です!!
雛子お誕生日記念の可憐&雛子“「かれひな」まつり”です!!
「かれひな」まつり































「お兄ちゃん、お待たせしました」
「おにいたま、おまたせ〜」
ここは夏の砂浜、いわゆる海水浴場のほぼ外れにあたるところで、僕はしばらくの時間この場所で二人が来るのを
待っていた。
「・・・あ、あぁ・・・・・・」
二人の姿を見た僕は、一瞬どう受け答えしていいものか分からなくなってしまった。
「あ、あの・・・お兄ちゃん、可憐の水着・・・どう?・・・・・・似合って・・・ますか?」
「ねえねえ、おにいたま!ヒナの、ヒナのは?」
僕は今目の前にいる可憐、雛子・・・自分の妹二人の普段見慣れない水着姿に、少し戸惑ってしまっていた。
「あ・・・う、うん!・・・可憐も雛子もよく似合っているよ!」
と、二人にはまず自分が率直に感じたことを伝えることにした。
「よかった・・・お兄ちゃんにそう言ってもらえて♪可憐、今年の夏はおもいきって水着をビキニにしてみたんです。
もしお兄ちゃんに気に入ってもらえなかったら・・・どうしようって思ってたんです」
「うわぁ〜い!!ヒナ、この水着にしてよかったー!!」
妹たちが二人して喜び合っている間、僕はこの海に来る数日前のことを少し思い起こしていた。


 学校が夏休みに入ってしばらく経った土曜日の夕食時に、両親から家族で次の土・日に一泊二日の海水浴旅行
に行けることになったことを僕たちは聞かされた。
そのことを聞いてまず喜びの声を上げたのは、僕の隣でいっしょに食事をしている可憐と雛子の妹二人だった。
「ええっ!!・・・お父さん、お母さん、それ・・・本当に?!」
「うわぁ〜い!!やったー!!海、海〜♪♪」
家族で海水浴に行くのは二年ぶりだったので、妹たちは特に大喜びで僕も内心ではとても嬉しくなってはいたけど
長男という立場上、あまりストレートに自分の感情をさらけ出すことは憚られたので、
「はぁ〜・・・、海かぁ〜・・・・・・」
と一人でフッと呟くことにした。
それを隣で聞いていた可憐は、
「ねえ、お兄ちゃん。・・・もしかして海、楽しみじゃ・・・ない?」
と僕の横顔を伺うようにしながら尋ねてきた。
「そ、そんなことないよ。僕だって、海に行くのは楽しみだよ」
そう答えると、可憐の顔に笑みが満ちてきて・・・・・・。
「よかった・・・可憐、お兄ちゃんとまたいっしょに海に行けて、とっても嬉しいです♪」
それに続いて雛子も・・・・・・。
「ヒナもヒナも・・・おにいたまといっしょでうれしいよ!!」
と満面の笑みを浮かべながら僕に答えてくれたので、
「それじゃあ、海に行くための準備をしないといけないかな?」
と二人に聞いてみたところ・・・・・・。
「あ・・・あの・・・・・・お兄ちゃん。可憐、その・・・新しい水着を買いに行きたいんですけど、・・・・・・明日いっしょに
お買い物に付き合ってくれませんか?」
と、そうお願いしてきた可憐に僕は、
「え〜と?・・・今持っている水着じゃダメ・・・なのかな?」
と聞いてみたところ・・・・・・。
「うん・・・学校の水泳の時間で使ってる水着ならいいんだけど、お外で着る水着はもうサイズが合わないと思う
し・・・・・・。だから、ねっ!いいでしょう、お兄ちゃん!」
可憐とのやりとりを聞いていた雛子も、
「おにいたま〜!ヒナも新しい水着がほしいよ〜!!」
と、さすがに妹二人からそこまでお願いされると、兄として断るわけにもいかないので、
「分かったよ!それなら明日、みんなで新しい水着を買いに行こうか?」
と答えると・・・・・・。
「わ〜!ありがとう、お兄ちゃん!!だから、お兄ちゃん大好き!!」
「うわぁーい!!だからヒナ、おにいたまダイダイダーイ好き!!」
そう言って大喜びしていた妹たちだったけど、テーブルを挿んでその僕たちの様子を見ていた父さんと母さんは
しばらくの間笑ってたっけ・・・・・・。

 翌日お昼を済ませたあとに、昨日の夕食での約束通り、僕と可憐と雛子の三人で水着やその他にも海水浴旅行
に必要なものを買いに、駅前にあるデパートへ出かけることにした。
まずは先に細々とした必要なものを買い揃え、そのあとに水着コーナーに行くことになった。
着いた先では、可憐と雛子が思い思いの水着を僕に見せながら、
「お兄ちゃん、こういう水着はどうですか?・・・・・・可憐に似合う・・・かな?」
「おにいたま、ヒナはね・・・このかわいいのがいいな!」
と聞いてきたので、
「うん、二人ともそれもいいかもしれないけど、まだ水着はいろいろとあるみたいだし、もう少し見て廻ったら?」
と答えると、
「はい、お兄ちゃんがそう言うなら、もう少し見てみますね」
「ウーン・・・・・・。じゃあヒナ、もっとかわいいのがないかさがしてみる!!」
そうして二人はまた他の水着を見て廻ることになったけど、妹の付き添いとはいえ、さすがに男の僕にとって女性
向けのフロアーに長時間居続けるのは抵抗があったので、悪いと思いながらも可憐たちには一言言ってから、
自分も水着を買いに別のフロアーへ行くことにした。
しばらく見て廻ったのちに自分の水着を決めて買ったあとは、再び妹たちのいるフロアーへ戻ることにした。
まだ水着を見定めているかと思っていたけど、二人ともすでにどの水着にするかを決めたようで、すでにレジで
支払いを済ませたところだった。
そのあとで二人にどんな水着にしたのか聞いたんだけど・・・・・・。
「えっ?!・・・今はまだ・・・その・・・恥ずかしいから・・・内緒です!」
「くしししし・・・・・・おにいたま、まだナイショのしみつなのーっ!・・・ねえ、可憐ちゃん!」
「うん、そうよ・・・雛子ちゃん。・・・お兄ちゃん、可憐たちの水着姿・・・海水浴の日まで楽しみにしててくださいね」
妹たちは僕のいない間に、何か二人だけで決めたことがあったみたいだったんだけど、その時の僕にはまだ意味
がよく分かってはいなかった。


 僕は、妹たちと水着を買いに行ったあの日のことを思い出してみて、今になってようやく・・・なるほどこういうこと
だったのかと一人納得していた。
いつもいっしょに暮らしていると返って分かりにくいのかもしれない・・・・・・可憐も雛子もあれから随分大きくなった
んだな〜・・・と二人の水着姿を見て、そう僕は改めて認識していた。
しばらく二人を見ていた僕に気付いた可憐と雛子は、
「や、やだ・・・お兄ちゃん。・・・そんなにジッと見られると・・・可憐、恥ずかしくなってきちゃう・・・・・・」
「おにいたま・・・ヒナ、そんなにかわいい?うわぁーい!やったー!!」
と、それぞれ僕にリアクションを示してきたので、困った僕はすかさず、恥ずかしさまぎれに・・・・・・。
「さ、さあ!二人とも泳ごうか?!そこの海辺まで競争だっ!!」
「うわぁーい!きょうそう、きょうそう!!」
「あっ!お兄ちゃん、雛子ちゃん!準備体操が先ですよ〜!!」
先に海辺に着いた僕は、雛子とあとからやってくる可憐を待ってから、もちろん準備体操を済ませてから海の中に
入ることにした。


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第2弾は、可憐&雛子SS 「夏は想いに包まれて・・・」です!!