手回し発電機(ゼネコン) と 発光ダイオード(LED)の問題     
 
 小学校の新学習指導要領の6年「電気の利用」で「手回し発電機」(通称:ゼネコン)を使うこととなった。また、中学校・高等学校でも、直流発電機として広く使われている。
 しかし、その特性や使用できる場合・方法をよく知っていないと、思わぬ失敗が生じる
   
1 子供が手回し発電機を使っていて起こる困った現象
  ◆発光ダイオード(LED)を手回し発電機で点灯させるとき 
   @ ゆっくりまわす場合は点灯していても、速くまわすと、LEDが切れてしまう現象(おおよそ5Vぐらいで) (子供は速く回したがる)
   A 順方向でLEDが点灯するようにつないだ回路で、逆方向にまわしてもLEDがわずかに光る。 
    このことは意外と知られていない。 メーカーの説明では、直流が得られるとあるので。)
     
  ◆手回し発電機を速く回すと、破壊もしくは動作がおかしくなるもの
   @ 豆電球は、定格電圧の倍ぐらいで切れてしまう。 
   A 電子メロディは、きれいなメロディになりにくく、「ジィージィー」と鳴ることが多い。 
   B 新学習指導要領で使用することとなるキャパシタ(電気二重層コンデンサ)を充電するとき、例えば、2.3V規格のキャパシタの場合、過電圧になる。
     (キャパシタのページ参照)
  ◆回して、どちらの端子(ミノムシクリップ)が、+になるかわからない。  
   @ 最近の製品は、回転方向と、導線の+−の関係がラベルで明示されているが、導線が透明で、中の線の色が違うが、はじめて手にする子供にとっては、すぐには理解できない。
  A +と−がはっきりしている器具、例えば、LEDにつないでみないとわからない
    (回す方向、導線を本体に差し込む方向によって逆になる。)
 
2 手回し発電機の特性  
 
  構造 ゼネコン本体は、以前は、マブチモーターRE36
     ※最近のは、専用モーターかわからない?
      ハンドル回転数を歯数54/9、65/8の歯車で、回転数を48倍にしている。
  無負荷特性 1rpsで2.5V発生、4rpsで10Vになる。
ゼネコン定格としては、10V、1A程度
 
  負荷特性 内部抵抗の関係で、負荷をかけるほど発生電圧は低下する。
負荷として6.3V、015Aの豆電球を接続した場合、
      1rpsで1.5V発生、4rpsで7V程度になる。
       ※参考文献:ゼネコンで学ぶ「電気学実験」いろいろ
         
3 理由と対策
  ◆速く回すとLEDが切れてしまう理由(豆電球、電子メロディの場合も同じような理由)
   @ 理由 
 LEDの発光電圧の例
 赤 1.7〜2.4
 黄 2.4〜 
 緑 3.2〜
 青 3.4〜
 白 3.4〜
    ゼネコンを速く回すと、無負荷なら12V、LEDなどの負荷をかけると6〜7Vぐらいなるので、右の図にあるLEDの定格電圧を超えてしまうため切れてしまう。
     ○ ゼネコンを逆に回すと、+−が逆転する。LEDは逆電圧には弱い。
   A 対策 
    一番の対策は手回し発電機をむやみに速く回さないことである。
    LEDに直列に抵抗を入れる。(安価2〜5円)  
       例えば、赤色LEDだと、33〜100Ωぐらいの抵抗を入れる。 
    LEDに直列に15mA定電流ダイオードを入れる。 (100円程度) 
       ※LEDに流れる電流を制御する。この方法が一番、確実である。
    もし、教具メーカーから購入する場合は、LEDに直列に抵抗か定電流ダイオードが入ったものを購入するようにする。(多少高いが・・・) 
     
  ◆逆に回してもLEDが点灯する理由  (発電機コイルの自己誘導によると思われる)  
      これは、あくまで、私の勝手な推測です。間違っていたらごめんなさい。
   @ 理由  
    コイルに流れる電流が急激に変化する瞬間に、それを妨げようとして、コイルに逆向きの誘導起電力が生じる。これを自己誘導という。これをオシロスコープの波形で調べると、実際に流れる電流は、立ち上がりが鈍く、切れの悪い波形となっている。  
        つまり、逆向きに手回し発電機を回すと、主電流の向きは逆になるのでLEDはつかないが、自己誘導による電流の向きも逆になり、これによってLEDがわずかに点灯するのであると推測している。
     
   A 対策
    特別な電子回路で制御したケーブルをつくる。 
         
  ◆回して、どちらの端子(ミノムシクリップ)が+か−かがわからない対策   
   A 対策   
  古い機種は、回転方向と導線の+−の関係を調べ、それを明示したラベルを貼る。また、導線についても、区別があることを説明する。