2006年



6月/7月
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7月12日 南アルプス 曇り  水温11度          
今シーズン早くも3度目の南ア入り。前2回は雨による増水と濁りで苦戦気味であったので、今回は期待しながら出かけた。メンバーは前回と同じ3人組。(ルアー1,フライ2)前回は水は多かったものの、上流部貸し切りと混雑については全く問題がなかったが、今回は人気の下流エリアに入る予定だったのでちょっと心配。出発点には二組3名が。どうやら同じエリアに入るようだ。確認し合い、我々は中間点に入ることにした。今日も釣り人は少ないが、前日は平日にもかかわらず30人以上が同区間に入ったということなので、なかなか運は良い。

左が水面、右はその下。

前々回に入った場所であるが、降り立ってみると驚くほど水量が少ない。前回の3分の1程度であろうか。昨年のイメージよりさらに少ない感じだ。しかも水はジンクリアな状態。前日の大量入渓の痕跡もあり、かなり厳しそうな予感がしたが、とりあえず釣り支度を整える。今回はザックを背負うのに都合のよい5ピース。ミディアムタイプなので細目のティペットを使いそうな今日の釣行には良い判断だった。

スタートするといつものようにルアーマンM君に連続ヒットがあった。しかしサイズはやや小振りのようだ。私にもすぐに反応があったが、出方がかなりシビアだ。やはり予想通りの状況か?ティペットを落とし、リーダーの全長を3ft程のばす。山岳でのロングリーダーはキャストしにくいが、水面に落ちるラインの長さを極力短くしてシビアな状況に対応してみる。フックサイズも#16〜17にすると、ようやくヒットし始めたが小振りな魚が多い。少しつり上がって行くと、ルアーに良型がヒットし始めた。フライに出るサイズも徐々にアップし始めた。水温は11度とやや低めだったが、曇りとはいうものの、水量が少ない為か、場所によって水温の上昇があるのだろう。活性は上がってきた。

午前中3時間ほどはそんな状況であったが、3人ともまずまずの釣果でランチタイム。ようやく購入したプリムスのバーナーとチタンクッカーを使いお湯を沸かす。さすがに3600kcalは火力がある。あっという間にお湯が沸く。持参したラーメンとコンビニむすびで腹ごしらえを済ませ、午後の部突入。休憩をした場所の対岸の小さな落ち込みにキャストすると、1投目に良型が反応。オレンジ色の腹が綺麗な25cm。午後の部上々の立ち上がりだった。

そして今回のマイハイライト。非常にフラットで開けたポイントに到着。ここはいないかな?と思ったら、水深50cm程度の対岸の岩盤寄りで小さなライズがあった。見ていると再びライズ。しかしかなり小さいようだ。念のためライズの少し上にキャストしてみると、バコンと出た。20cm程と思ったよりもサイズはある。見ているとまだライズがある。再度フライをキャストすると、再びヒット。今度もまずまずサイズだ。自分の場所からは魚は見えないのと場荒れで、もうこんなものかなと思ったが、二人が上流へ向かったあとも更にライズは続いた。結局1キャスト1フィッシュが8回も続き、しかも通常とは逆にサイズも徐々に上がり25cmまで出てくれた。昨年はシーズン最後に1ポイントで5尾というライズの釣りを経験したが、連日混み合うこの時期でしかも渇水気味の状況の中、これだけのライズフィッシングが出来たのは非常にラッキーだった。

このあとからも明らかに活性が上がったようで、我々より上流で入ったエサ釣り師が先行したエリアでも問題なく魚達は出てくれた。サイズもアップし28cmまで出てくれた。しかし、やはり渇水の影響かこのサイズが3人とも最大だった。気になったのは岸際のあちこちにはらわたを出した跡があり、抜かれた良型も多かったことが推測できた。魚の多い渓なのである程度の間引きも必要だとは思うが、心配りのあるキャッチ&イートをお願いしたいものです。
デブ&ガリ

というわけで、今回も楽しい釣行でした。魚も景色も渓相も、ほんとに素晴らしい川です。


6月21〜24日 北海道遠征 雨/曇り         
初めての北海道遠征。大井川釣行時にヤナギマスさんに誘われてようやく実現した。アメマスはいつかは釣ってみたいとギャラリーにイラストまで載せてはいたが、なかなか機会もなく今回が初挑戦となった。だからといって初挑戦で簡単に釣れるほど釣りは甘くはないので、まずは1尾を目標に頑張ることにした。阿寒湖はモンカゲのスーパーハッチが見られるタイミングということもあって、期待は高まる。

同行は誘ってくれたヤナギマスさん、その友人のりんご屋さん、そして北海道在住のサトウさんの4人。阿寒湖は毎年この時期恒例になっているようだが、数少ない遠征ということで入れ込み方はみんな凄いようだ。私も普段それほど巻くことのないモンカゲパターン(ダン、スピナー、ニンフ、フローティングニンフ)にくわえ、フローティングワカサギなど創作活動まで行った。

今回は阿寒湖のアメマス以外にも、こちらも初めてのオショロコマ、そして川でのニジマス狙いもあるということで、タックルも数本となってしまった。パックロッドがないのでNZ以来久々のバズーカケースの登場。ウェーダーや着替えなどはあらかじめホテルに直送だが、ロッドは送料のこともあり、持参することにしたものの、空港まではやはりやっかいな荷物だった。来年は考えよう。



1時間半強で北海道着。新幹線に乗っていた時間と変わらない。空港からレンタカーで向かったのは早速オショロコマの渓。かなり上流部のようで、ヒグマの生息域らしい。ベル、笛などは要完全装備である。林道をしばらく走ると川に出た。橋の上からのぞき込むと魚影が見える。早速ここから入ることにした。daiwaのヤブサワスペシャルに#2ラインを巻き込んだハーディフライウェイトをセットする。そうしている間に、なんとヤナギマスさんが橋の上からオショロコマをヒットさせる。結局全員橋の上から最初のオショロコマに対面となった。

ここからの3時間ほどは北海道の凄さを満喫することになった。
下のようなチビも混じり、サイズこそ20cm未満と小振りではあったが、オレンジの腹、朱点、完璧なヒレと見事な姿態にみんな我を忘れて釣っていた。

























魚影が非常に濃く、左のような石裏のポイントでは簡単に二桁以上が出てくれた。上の写真の大きな倒木までの区間を釣るのに3時間ほどかかるというわけである。魚が大きくなるには生息数が多すぎるのだろう。結局私は20m程の区間を往復するだけであったが、反応は絶えることがなかった。無垢な魚達に感謝して終了。ホテルに帰り、地酒とビールで乾杯!上々の初日だった。しかしこのようなフィールドは単独や現地に詳しい人間無しでの立ち入りは避けた方がよいだろう。










二日目は阿寒川で良型ニジマスを狙う。C&R区間ということで釣り人も多い。しかし雨と時折の雷鳴で次々と戻ってくる。川も増水気味だった。雨足が弱まった頃を見計らって入渓。大物が潜みそうなポイントにWETを送り込むがなかなか反応がない。そのうちに激しい雷雨となりとても釣っていられる状態ではなくなってきたのでやむなく撤退。しかしそんな中でもりんご屋さんは良型をあげていた。さすがである。このあとはホテルに戻りイブニングの阿寒湖でアメマス初挑戦となる。


モンカゲのハッチが期待される時期ということで平日ではあるが釣り人は多い。人気のポイントはごらんの状態だ。しかしヒットシーンは多くない。モンカゲのスーパーハッチはかなり遅れそうな気配だ。水温も低く、ネオプレーンのウェーダーを履いていても冷たさが伝わってくる。散発のライズはあるものの、魚からの反応はない。終了間際にヤナギマスさんが良型をバラしたのみ。そしてこのあと今回のキーポインターサトウ氏と合流。

翌朝、睡眠不足と疲れでややグロッキー気味でもあったので、朝飯前のアメ狙いは各自の判断ということになった。私は二日間で5時間ほどしか寝ていなかったので桟橋で1時間ほど竿を出したのみ。しかしこの朝遅れて合流したサトウ氏が50cmのアメマスをあげていた。






しかしこの日も状況は変わらず、日中は川でのニジマス、アメマス狙いに変更。地図を片手に全員初めての川に向かった。サトウさんの話では熊も少なく、魚もいるとのことだったが、川を見ると大きな蕗の葉に囲まれたざら瀬の川だった。こんなところに魚がいるのだろうかと半信半疑で釣り始めると、すぐにヤナさんに小振りではあるが完全にネイティブと思われるニジマスがヒットした。それからは上下に分かれてほんの短い区間竿を振ったが、ここでも完全無垢のチビニジたちが疑いもなくわれわれのフライをくわえてくれた。

連日の雨模様で美しい阿寒湖の全貌は見ることができなかったが、雲と霧の中に浮かぶ小島はなかなか雰囲気があって良かった。

そしてこの日のイブニング。早朝良型を上げたサトウさんのポイントへ向かう。すでにサトウさん、ヤナギマスさんがロッドを振っている。しかし今のところライズおよび反応はないようだ。サトウさんは良型を上げたサトウスペシャル。当然阿寒湖には普通持ってこないパターンなので我々は似たものを使うものの反応はない。しばらくキャストしていると私のロッドにコツンというアタリ。すかさず同じポイントにキャストするとググッと魚の反応。初ヒット!しかしすんなり寄ってくる。なんと阿寒湖初ヒットはウグイ君であった。







そうこうしているとサトウさんのロッドが曲がる。アメマスだ。どうやらモンカゲにスイッチが入らないこのタイミングにサトウスペシャルが当たったようだ。自分のフライボックスをもう一度見渡すと色は違うがそれらしいものがあったので、早速交換。沖に向かってキャストし軽くリトリーブするとガツンときた。大物ではないがさきほどのウグイとはあきらかに違う。慎重に寄せてネットインさせると金色に輝く待望のアメマスであった。このあと一人アメマスに出会えていなかったヤナギマスさんも私と同じタイプのフライに変更すると同時に50cmオーバーがヒット。サトウスペシャルの亜流バージョンで全員が釣果を得ることができた。尚、りんご屋さんは一人別のポイントで50cmオーバーをなんと3尾もつり上げていた。

尚、ヤナギマスさんが良型を上げた時、聞き覚えのある声が近づいてきた。杉坂研治氏だった。ボッケ方面に入っていたようだが余り良くなかったようだ。我々の入っているポイントはみんなが引き上げたあとで貸し切り状態にくわえ、ライズがひんぱんにある。ヤナさんとの記念撮影後、一緒に釣ることになり、杉坂氏のライズの分析が始まる。19:30を過ぎかなり見えにくいが、#16のユスリカピューパだという。見える限界までやったが杉坂氏にもヒットせず。我々はサトウスペシャル&そのもどきだったがフライは替えず(笑)でもライズの出方はユスリカだったかな。



←アメマスの顔。白点も綺麗だがやはり金色に輝くウロコはたとえがたい。それと欠損の無い完璧なヒレにも感激する。














最終日、あさまずめは不発ということで、今回の遠征は終了となったが、4日間とも本当に充実していた。あいにくの雨模様で素晴らしい景色も見ることが出来なかったが、それを差し引いてもお釣りが来るほど楽しい釣行だった。最後は北海道の広さを感じようとハンドルを握らせてもらった。目印が少ないのでナビは必要だが、これほどなにも言わないナビは北海道ならではだろう。笑えたのはたまにある案内。「40km先の○○を左折し更に30km先の××を右折」なんて案内聞いたこと無い。

最後にお世話になったヤナギマスさん、りんご屋さん、サトウさんに感謝。来年も必ず行きたいと思っています。アメ用フライは1年かけて研究してみます。