2005年
この秋一番の冷え込みだった。天竜川に向かう途中の里山もすっかり色づいていた。このあたりは紅葉も遅く、冬の始めと重なる。いよいよ冬到来というわけである。それでも3度という気温は冬の本栖湖や河口湖で鍛えられている私にはさほど気にはならない。それより注意報まで出ている風はやっかいだ。特にフライにはなかなか辛い。それでも友人の82cmゲットのニュースに刺激され、またしても天竜に向かってしまった。 平日ではあるがいつもより少し早めに家を出た。現地に7時少し前に着いたが、それでも一番ではなかった。思いは同じか。先行していたルアーマンに一言挨拶し、早速釣り開始。ルアーとポイントが重なるので、初めは本線ではなく対岸の浅瀬の小さな流れにフライを入れる。すぐにマーカーが沈む。すかさず合わせると赤黒い巨体がバシャバシャと水面を割って出た。「大きい!」意表を突かれあせる。浅いことと近距離であるためラインがほとんど出ていない。どうしようと思った瞬間、テンションがなくなった。完璧60オーバーの大物だった。「こんなところにいるなんて...」と思っても後の祭り。 気を取り直し、ルアーマンが少し移動したところで最近好調のオリジナルショートストリーマーに変更。川底を転がしながら最後にターンさせると「ゴン!」と心地よいアタリが手に伝わってきた。下流に走られないようにコントロールし取り込んでみると50cmには少しだけ届かなかったが魚体の綺麗な49cm。このあとはレギュラーサイズが5,6尾かかったが大物はこない。2時間ほどすると全く反応がなくなり、ルアーマンも移動していった。こちらもポイントを変更することにした。 上流に行くと見慣れたプロショップ店長の車があった。早速川に降りて行き様子を聞く。反応はあるがサイズが小さいとのこと。まあ反応があればいいだろうと少し下流でロッドを出した。すぐにレギュラーサイズがアタックしてきた。その後もコンスタントにアタリがあり同サイズが釣れてくる。そのうちグン!という良型独特のアタリがきた。何度かの締め込みをかわし手元に寄せてきたところでラインブレイク。50cm程だった。残念。その後も少しずつ移動しては数匹キャッチが続く。 対岸に人がいなくなったのでそちらに移動することにした。廻る途中で早瀬の中にフライを送り込んだ。少しでも水深がある早瀬の脇には魚が着いていることが多い。フライをコントロールしながらポイントを探っているとガツンと一気に持って行かれた。黒い顔と赤い頬が見えた。これはでかい。朝一番のバラシのことが一瞬頭をよぎる。足下はすべる石ばかりなので下流に走られるとまずい。なんとか上流側へ誘導しネットに納めた。大きなワニグチが印象的なオスで55cmもあった。アップを撮らせてもらったがまさしくワニだ。 続いてプールに移動。時折ライズもあり魚っ気はある。ここでもアタリフライが活躍してくれた。レギュラーサイズから35cmほどの元気者がコンスタントに釣れてくれる。シングルハンドでのスペイキャストがここでは有効だ。そのうちにあきらかに大物とわかるアタリが来た。グングンと首を振る。水面が割れ銀色の魚体がくねっている。プールの中を右に左にと走ろうとするが、ここは障害がないので落ち着いて対応。岸際に寄せたところでネットを出すが、思いの外大きく、今期目標の60cmあった。魚体は傷もなく銀色に輝いていた。これで十分と感じ、早めではあったががこの日の釣りを終了した。満足した1日だった。 ←銀ぴかの60cm |
前回のバラシが悔しいので昼前だったがまたまた天竜川に向かった。川の状況は相変わらず良くなさそうで、釣り人も少ない。漁協の監視員の情報でもどのポイントもほとんどダメと言うことで期待は出来なかったが、とりあえず前回のポイントに入った。二人のルアーマンが先行していたがしばらくすると他へ移動していった。あまり良くないのかな? 今回もウェット&ミニストリーマーで狙う。ルースニングはあまり得意ではない。前回多少反応のあったソフトハックルで釣り始めたが一向に反応がない。今日はダメかと思ったが、本栖湖で好調のオリジナルミニストリーマーに変更。これが当たった。1投目からアタックがありレギュラーサイズをキャッチ。その後も反応がまずまずある。流れの脇ではなく水温のせいか流芯や白泡の中に魚はいるようだ。 数尾のレギュラーをキャッチしたあと、早い流れの中心にフライを沈み込ませるとズンという重いアタリ。いいサイズであることがすぐにわかった。前回のバラシのこともあるので下られないようにこらえてなんとかランディング。50cmをわずかに上回る今期初のニコパチサイズだった。そのあとも同じくらいのサイズがヒットしたがこちらはバレてしまった。 その後も数尾のレギュラーサイズが楽しませてくれたが、ポイントを一巡したせいかアタリがなくなった。予定の時間まではあと2時間程あったので上流部に移動することにした。ダム下は水量も少なく流れが淀んでいる為か魚の活性は相変わらず良くないようだ。7人ほど釣り人がいたが上がっている様子が無い。 なるべく酸素の多そうな流れのあるところにウェットを送り込む。ユスリカのハッチが始まったがライズするのはハスだろうか、レインボウのライズは全くない。ソフトハックルに小さなアタリがあった。ヒットしたのはやはりハスだった。中央のプールで釣っていた釣り人達がいなくなったのでそこへ移動。水量が少ないので流れの中の岩がよく見える。魚の定位しそうな筋にフライを送り込む。反応はハスばかり。 先ほどのストリーマーに変更する。ダウンクロスでキャスト。フライがターンしたところでガツンとヒット。ゴンゴンと首を振っているので今回も良型を確信。しかしここでストリーマーといってもサイズが小さいので5Xのままだったことを思いだし、少し慎重にやりとりする。リールからラインが出て行くのは気分がいい。何度かのダッシュをこらえてネットイン。53cmとこちらも50UPだった。でも大分いじめられたようで側面のうろこが大分はがれていた。急いでデジタルキープしリリースした。 今回はオリジナルのストリーマーが大活躍してくれた。ニンフとストリーマーの中間フライ。本栖湖でもフォーリング中に喰われることがある。アピール性が高いのかな?同じ作りでも配色を変えた物はそれほど反応は良くない。もう少し研究してみよう。 |