今月のメッセージ 121-051205
「真珠湾攻撃隊長の回心」
岸義紘師
「トラ、トラ、トラ」「われ奇襲に成功せり」。1941年、真珠湾攻撃隊長として、約300の爆撃機を率いてパールハーバーを爆撃した淵田三津男大佐は、敗戦により茫然自失、郷里の和歌山へ帰りました。人を避けて、みかん山で寝起きしているうちに、考えがまとまりました。日本の敗戦は、敵国アメリカに対する無知によるものだ。あまりにアメリカを知らなすぎたことにあったと。 彼は復讐の為には、敵を知らなければならない、アメリカ人を知りたいと熱望するようになりました。そのような時、アメリカの捕虜収容所から帰国してくる捕虜達のニュースを耳にし、敦賀の港へ出かけたのでした。 「アメリカを知りたい。アメリカ人を知りたい。」 「貴様らは捕虜になって、地獄をなめてきただろう。」 「淵田大佐。そうではありません。収容所は天国でした。」 「そんなバカな!」 「実は、収容所に若い女性が働いていました。彼女はわれわれ日本兵に特別によくしてくれました。ある時、私達は尋ねました。『敵の日本人に、どうして親切にしてくれるのか?』そうしたら、彼女が日本語で答えてくれました。」 「私の両親は宣教師でした。横浜で20年間、奉仕しました。戦争に反対して国外追放にあい、フィリピンで日本語を話せる事でスパイの嫌疑をかけられ、日本軍に処刑されました。最期まで日本人を愛した両親に代わって、私はここで奉仕をしているのです。」 敵を愛する。親を殺した敵を愛する。信じられない。考えられない・・・。 このことがきっかけとなり、淵田大佐はクリスチャンになり、そして牧師となり、日本とアメリカでめざましい奉仕活動を展開したのです。 憎しみと復讐の鎖を断ち切るには、憎しみに代えて、愛と赦しを!それは人の力によらず、キリストの十字架の愛を受けて始まる新しい世界です。 今年ももうすぐクリスマス。あなたにもイエス・キリストの愛といつくしみが豊かにあるよう、祈ります。 |
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