今月のメッセージ 116-050411
「愛は人を生かす」

 「愛なしに人は生きられぬ」と、よく言われます。それは愛され、愛するということ無しに幸せな人生は生きられない、と言う意味合いがありますが、確かにその通りだと思います。
 私の知り合いの某女性は、幼い頃、両親の事情によって孤児院に預けられました。彼女は、当然のことに、親のぬくもりをほとんど味わった事がありません。人に思い切り甘えた事もなく、いつも顔色を伺い、内心びくびく、不安な日々を過ごしていたと言うことです。思春期になり、男性(ひと)を好きになっても、決して自分から近づいて行く事も出来ず、心を開いてありのままの自分をさらけ出せる親友をつくることも出来ませんでした。彼女は言います「私の青春はまさに黒に近い灰色でした」と。
 又、私がホームステイしていたサン・フランシスコの某婦人はご主人に対する不平不満を、毎日朝から晩まで、ワイングラス片手にブウブウこぼしておりました。傍(はた)から見ると、物質的にはうらやましいほどの暮らしぶりでしたが、その婦人は決して幸せには見えませんでした。つくづく「人間の幸せとは??」と考えさせられる、体験をしました。
 聖書の中に「わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ、わたしは絶えずあなたに真実をつくしてきた」(エレミヤ31:3)とあります。これは真の神が、私たちに示してくださった愛を表わしているのです。私たちが望む愛とはこのような愛であり、このような愛で愛し、愛される時に、本当の安らぎを感じるのではないでしょうか。
 前述の某女性も、この神の愛を知った時に「人生が変わった。今はみず知らずの人にも、自分のほうから近づき、友達になることもできるようになった」とおっしゃっていました。
 真実に裏打ちされた、永遠に変わらない愛を知って、愛し合って生きるなら、家庭も社会ももっと素晴らしいものになることでしょう。


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