今月のメッセージ 95-030303
「上を向いて歩こう」     牧  師:永 山  進

「上を向いて歩こう。涙がこぼれないように・・」。これは今でもしばしば歌われる、故坂本九ちゃんのヒット曲。軽やかなリズムも良かったが、歌詞もなかなか素晴らしい。だから、今でも歌い継がれるのであろう。

所で、「人間」とはギリシャ語では「アンソロポス」と言うが、その意味は「上を向くもの、仰ぐもの」と言う意味がある、と伺った。つまり、天を仰ぐ存在。それが人間の人間たるゆえんであると言うのである。

長い人生の中には、仕事に行き詰まり、途方にくれて、ため息をつきながら天を仰ぐ時もある。私の友人の一人に、小さいながらも会社を経営していた男がいる。バブル経済の時には、面白いように儲かり、「40歳になるまでに3億円貯め、悠々自適な老後を送るんだ」と豪語していた。しかし、その彼も今や、折角貯めた貯金を切り崩し、まさに天を仰ぎながら助けを待ち望む心境とか。
また、愛する者を失い、悲しみにくれることもあろう。私の父も、当てにしていた跡取り息子、つまり私の兄を事故で亡くした時には男泣きしていた。私自身も、その父の姿を見て男泣きをしたが、自分も子を持ってみると、あの時の父の悲しみが痛いほど分かる。
とにかく、平穏無事を願いながらも、その様に行かないのが人生。

聖書の中に「私は山に向かって目を上げる。私の助けは、何処から来るのだろうか。私の助けは、天地を作られた主(神)から来る」(詩篇121:1)とある。

私達が涙を流して歩んで行かなければならないような、そんな時、私達が、天(神)を仰ぐなら、そこに私達を助けようと待っていてくださるお方がいらっしゃる、と聖書は告げているのである。
勿論、聖書は単なるご利益的な信仰心を勧めているのではない。しかし、私達を心から愛し、幸せを願っておられる神がいらっしゃることをはっきりと告げているのである。

あなたも、その神を仰ぎながら歩んで行くなら、涙がこぼれるような試練の時にも、神の慰めと助けを見出すことでしょう。 祝福を祈りつつ。


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