参茸補血丸の概要

参茸補血丸(さんじょうほけつがん)は、不妊に良く使われるお薬の一つです。

参茸補血丸の第一の特徴は、その形状にあります。ピンポン玉より一回り小さいぐらいの大きさの黒くて丸い塊です。初めて目にした方は、これはどうやって服用するのだろうと、迷ってしまうのではないでしょうか。しかしこの形状は、中成薬(中国漢方薬)としてはいたって普通であり、中国に行って漢方薬局を覗けばこのタイプのお薬をたくさん目にすることが出来ます。
本来、“丸”と名の付くお薬はこのような形状で服用されていました。現在は現代的な技術で飲みやすい剤形が作られていますが、このような昔からの形の方が効果が高いとも考えられます。生薬をはちみつと練っただけの、シンプルですが余分なものが一切含まれていない素晴らしい剤形なのです。
お薬の成分としては、動物性生薬の鹿茸(ろくじょう)がキーポイントとなります。

製造販売元 イスクラ産業株式会社
イスクラ産業自体は日本にある会社であり、中国の天津中新薬業集団股分有限公司達仁堂製薬会社で製造された商品を輸入しています。
中国製品と言うと心配される方もいらっしゃるでしょうが、製造時も世界基準のもとで品質管理をされていますし、輸入後は日本の厚生労働省の定めた基準により検査されますので、まず問題はありません。

容量 1箱10丸入り

服用方法
成人1日1回、1回1丸の服用
よって1箱で10日分となります。

効能・効果
次の場合の滋養強壮
虚弱体質、肉体疲労、病後の体力低下、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症

お値段
1箱4,284円(税込)
このお値段は全国共通です。この値段より安い場合には逆に注意が必要です。

販売
日本中医薬研究会に加盟して、中医学を勉強しているお店でのみ扱っています。加盟店は全国に約1000店あります。
しかし研究会に所属していても扱っていないお店もあるので注意してください。

参茸補血丸のデータ

1丸は9.5gです。
【内容成分】1丸中中
当帰  0.8550g
黄耆  0.8550g
人参  0.4465g
龍眼肉 0.8550g
鹿茸  0.3610g
杜仲  0.8550g
牛膝  0.8550g
巴戟天 0.8550g
合計で5.9375gとなりますから、残りの3.56gほどがハチミツになるのでしょう。
参茸補血丸ではこれらの生薬をそのまま摂取する形になりますので、煎じ薬やエキス剤との比較は難しいのですが、生薬の効果を引き出すために必要な量は十分含まれていると考えられます。

中医学的効果

「大補元気」「補腎温陽」「強心益神」「健身固本」とされます。
鹿茸、杜仲、巴戟天が「温腎補陽」に働き、このお薬のポイントとなります。特に鹿茸は動物性の生薬であり、その効果は高いとされます。
また、人参、黄耆は気を補い、当帰、龍眼肉、牛膝は血を補います。

具体的な効果

参茸補血丸は不妊に関し、以下のような効果が期待できると考えられています。
しかしこれらはあくまで上記の中医学的効果の結果として現れた西洋医学的変化と考えて下さい。

★黄体ホルモンの働きを補佐し、特に高温期の体温の上昇を維持する
★特に生理が遅れがちな場合に、生理周期を安定させる
★無排卵、無月経の状態の時に、生理や排卵を引き起こすきっかけとなる
★疲れを取り除く
★体を温め、体温全般をやや上げる。

副作用や注意すべき点

参茸補血丸は胃腸への負担も少なく安全なお薬です。しかし他の漢方薬と同様にしっかりとした体質判断が必要です。特に以下のような方は注意しましょう。

★暑がりの方や、基礎体温が高い方(お薬に体を温める力があるため)。
★妊娠中の服用(牛膝という、妊娠中は控えた方が良い生薬が入っているため。しかし念のため控えた方がよいという意味です)。

参茸補血丸は周期療法では主に高温期に服用します。とはいえ全周期に服用した方が良い場合もあります。しっかりと漢方薬局で相談して服用方法を決めましょう。

不妊の漢方について相談したいとき

よろず漢方薬局ホームページの「3分漢方相談」をご利用ください。
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