「月がもしなかったらどうなんのかなぁー」


「月がもしなかったらどうなんのかなぁー」。幼い子たちと話ができると、わたしはこんな質問をすることにしている。「もしなかったら」、ということを考えさせることで、その存在の重要性が分かればいいなと思っている。この世になくてもいいものなんてないことを知っていれば、他の人を大切にする人になるのではないだろうか。

家族や友達、爺ちゃん、婆ちゃん、そしてわが子、障害者……。ふつうは感じないその存在の大切さを再認識してみるのは、自分の生活をも見直すことになる。だれも自分だけでは生きていないことを、また自分だけではないことを知ることになるだろう。そうすれば、自分との違いを感じつつも、円滑なコミュニケーションを保てるように思える。その結果、孤立しない人間関係、助け合える社会が成長してくるように思う。それはふつうに暮らせる幸せな生活を実現していくのではないだろうか。


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