「もしかして障害者の意識の方が……

 
 最近、しばしば伊豆の方から
JRを使って沼津・静岡に出ることがある。そこで駅員の対応がずいぶん親切になっている。駿豆線は昔から使っていたが、三島で乗り換えJR利用までは決意するのに大きな動機付けが必要だった。いま使ってみるとわりあいスムーズに行くものだと感じる。出発駅で、行き先までの乗車券を買ってしまえば、即、乗換駅と、到着駅に連絡が行く。駅にはホームと電車の段差をなくす携帯用スロープを駅員が運んでくれる。これまでスロープのなかった駅はない。線路をまたぐ構造でホームに行く駅は、エレベータを2回使うことになる。新幹線は車両のドアが狭いと思っていたが電動車椅子で出入りできるものだ。心配なら11号車が車椅子用で他の車両よりドアが広い。駿豆線は三島で降りて、新幹線ホームには、エスカレーターを変形させて電動車椅子でも行ける。列車が来るまで、駅員が傍らに付く。この時間をもっと有効に使えないものかと思う。もしかして外へ出る事について当事者の障害者の方が遅れているかもしれない。外出できる障害者はもっと利用すべきだと思う。

                              (この文章は、静岡新聞2007/02/09朝刊「ひろば」の投稿欄10Pに投稿した原稿です)
  


「エッセーたち」へ