JR福知山線事故からもうすぐ2年が経とうとしている。電車がカーブでスピードを出し過ぎて、マンションに激突した大事故だった。その事故に逢って死を宣告されていた女性が奇跡的に回復していくドキュメンタリーを観た。病院に搬送されたときは脳の断面の画像が一色になっていた。拒否する言葉しか発しない状態、そしてガラス片を飲み込むまいとしていたため、食物を全く飲みこまめなくなっていた。しかしながら、病院を退院して家族の下で生活し始めると、穏やかに口を利き、食物を食べられたとの奇跡。家族の中というのは、言いたいことが言えるから、精神的に落ち着く。専門家の中では不可能なことが起きるようである。自分の名前の練習、歩行訓練、そして驚いたことに脳の断面の正常になった画像。生命力の凄さ、回りの人々の愛情の凄さを見せ付けられた感があった。わたしたちは、もしかすると現状に甘んじ過ぎてはいないだろうか。固定観念に縛られ過ぎてはいないだろうか。できること、いや、すべきことを怠ってはいないだろうか。いま得ている幸せを充分に生かしているだろうか。自分を見直す本当に良い機会となった。('07/04/16) |