小さいころの疑問
(’04/08/29)

小さいころ,そう,小学校に入るか,入らないかのころ,
疑問があった。
そして,いつも考えていた。
列車のレールと,ジェット機と,プロペラ機のこと。
―
列車の車輪は中側の引っかかりでレールに,
はめ込まれていることは知っていた。
だからこそ,わからなかった。
レールの分かれ目,すなわち,レールのポイント。
画用紙に駅の構内のレールの枝分かれしていく様子を絵を描いてみても
どうしてもこの車輪の中側の引っかかりが邪魔をして
列車は好きな方向に分かれていけないはずである。
わからなかった。
どうしても脱線しなければ,列車は好きな方向に分かれて行かない。
―
ジェット噴射は知っていた。
でもなぜ後ろにガスを噴射して機体が前に進むのか,わからなかった。
じつはこう思っていた。
噴射されたガスが,どこか、そう、壁みたいなものにぶつかって,
かえってきて、
それで機体を押すのかと考えていた。
真剣にそう思っていた。
でも、広い空に壁はない。
どうしても
わからなかった。
―
プロペラ機にいたってはまるでわからなかった。
なぜプロペラを回すと前に進むのか。
扇風機がうごかないことは知っていた。
また,そのころまだ戦争が終わって,20年くらいだったから,
少年誌には,
「
ゼロ戦」や「グラマン」などがよく描かれていた。
なんで、飛ぶの?
なんで,前に進むの?
わからなかった。
―
あっ、そうそう、この点でちがう疑問があったことを思い出した。
戦闘機の機銃の弾,
なんで、プロペラのあいだから撃てるの?
プロペラ、壊れるやん。
と思っていた。
―
もうプロペラのあいだから撃つのなんてないだろうな。
今はミサイルだもん。
戦闘機だってプロペラ機はもうないでしょう。
―
今,想うと簡単に答えられることもわからなかった。
あのころは,
真剣に疑問を寝ながら考え、
いつのまにかほんとうに寝てしまっていた。

「コラム・エッセー」へ