知らないところで

わたしのように喘息があると、のどのはれたところに冷たい空気や、なんらかの刺激するものが触れることで、あの「コンコンコンコン……」という咳の発作が誘発される。「のどがはれているのは、免疫が弱っているのかなぁ」と薬剤師に言ったら、間髪をいれずに、「ちがいます。免疫機能が働いているんです」と言われた。虫に刺されても、赤くふくれるのはやはり免疫の働きです、と話してくれた。見えないシステムによって身体が守られているんだなと感心した。とすると、この縁の下の力持ちのことをいかに知らなかったことか。咳が出る、痰が出る、くしゃみが出る、鼻水が飛ぶ……。これらは身体を守ろうとする免疫の働きだそうだ。もしも免疫が働かなくなると、のどのはれも、咳も、くしゃみも出ないという。それはこわいことだ。細菌やウイルスがどんどん入ってきて、身体をむしばんでゆく。反対に免疫が暴走して自分の身体を攻撃してしまうと、花粉症、アトピー、喘息などを引き起こすという。自分の意思の外でいつも繰り広げられる戦いをすごいと思った。


「コラム・エッセー」へ