「いつかは過ぎて行くけれど」


 「それを恐れ過ぎることも、恐れ過ぎないことも易しい。正しく恐れることがむずかしい」。新型インフルエンザに関して引用された言葉です。確かにその通りだと思います。また、「日本人の傾向として、パニックか、無関心」とも表現され、これらの言葉はどこから来るのだろうと考えてみました。「熱しやすく覚めやすい」というのでしょうか。そこで、思い当たったのは、日本の台風などの自然災害です。それらはやって来ると恐いけど、いつかは過ぎて行きます。年中行事である田植え、稲刈り、台風、祭り……。共同作業が必要な農耕民族、みんなで、わーっと集まり強大な自然に立ち向かっていく、けれども隣村まで手が回らない、手を回せば、自分の所が立ち行かなくなる、という構図があったのかもしれません。そして災害は過ぎて行きます。新型ウイルスに対しても恐れおののき過ぎないように、正確な情報に基づく感染予防をしたいものです。


「コラム・エッセー」へ