「使わなければ、使えなくなる」


 施設に入っている友人と話をしていたら、「だんだんできたことができなくなってきた」ということを言い出した。「施設だと、みんなやってくれちゃうから」。自分で生活動作をするより、職員がしたほうが早いからだ。ナースコールを押せば来てくれる便利さ。老化に伴う体力低下も手伝って、やってもらっちゃうのだ。やってもらうのと、体力低下、相互関係にあるんだろうなと思う。動かさなければ動かなくなる、使わなければ、使えなくなる。家にいても同じことが言えるけれど、居宅介護でずっと介護受けるとなると相当の重度でなければ可能とは言えない。身体的機能、ADL(日常生活動作)、つまり、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴などが含まれるわけだが、確保しておかなければならないと痛感した。自分、家族の力と言うのが基本なのだろう。けれども人の手を借りなければならないというのも現実である。社会保障制度をうまく利用していきたいものだ。
('08/10/11)

「コラム・エッセー」へ