「それぞれの子供に合った教育」」


 手話というと耳の不自由な人々のコミュニケーション手段として定着して教育テレビで公に教えたり、講演の脇で通訳している姿を見ることが多くなりました。ところが、ろう学校ではこの手話は禁止された時代がつい最近まであり、口話法が教えられていました。それは相手の唇の動きを見て、会話を理解し、ろう者もそれを真似て発音しょうというものです。それによって普通の人のように話せるようになり、卒業生たちを雇ってもらおうとしたのです。それまでに手話はありましたが、手話をしていると目が手に行ってしまうという理由で、口話だけになりました。ろう者の喉は正常とはいえ、正しい発音を理解できなければ発音は難しいのです。その結果、口話の恩恵を受けた人はほんの僅かに過ぎませんでした。みな禁止された手話で自由に話しているのが現状です。「それぞれの子供に合った教育」、この事がどの学校、子供達を助ける者に求められるもののようです。
('08/09/17)


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