「自然は誰にでも平等に雨を降らせる」


 青い空に入道雲、夏の風景である。外を歩いていると、夕立がポツポツ降ってきたと思ったらザーッと来て、ずぶぬれになる。「大丈夫ですかぁー」と通りすがりの人が声をかけてくれる。「何とか大丈夫でしょう」などと会話を交わす。自然は誰にでも平等に雨を降らせるので、人と人の間にも共通の話題ができていいものだ。わたしたち日本人の個人を超えた親切心を垣間見る思いがする。今の時代のいろいろな問題も、人と人を結び合わせる何か強力な力が必要に思える。アメリカの住宅問題から端を発した投機問題つまり金余りの使い道は利益を求めて、原油に移り、バイオ燃料の原料サトウキビ、小麦、とうもろこしの高騰を招き、いまや日常生活品全般に値上がりをもたらしている。個人の利益の追求は、誰も止められない世界的な流れになっているようだ。高齢者の年金も投機に走っている。明日が不安だからだろう。希望や安心を持たせる何らかの手立てが求められる。そういえば、最近、夕立が少ないように思える。豪雨のような激しいものに変わっているのかもしれない。
('08/07/04)


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