「まず、一歩出てみよう」


紫陽花が梅雨のこの時期、鮮やかである。額紫陽花は繊細な感じと立体的な咲き方で好きである。通りに咲いているのを見に行こう、見に行こうと思っているうちに季節が過ぎてしまう。田植えの様子、蛍の輝きもまたそうである。雨が多いから、どうしても外に出るのが億劫になる。外に出ることを心がけなくてはいけない。暑かったり、寒かったり、はたまた台風が来たり、集中豪雨になったり。こうした時だからこそ楽しめるものが外にあるのだから楽しまない手はない。植物の成長と共に、虫や鳥も元気に活動している。また殊にツバメの餌取りはすさまじく素早い。葉の上の蝸牛は、のんびりしている。てんとう虫もチョコチョコと寄ってくる。夏に向かって活動的なのである。晴れた日には心して、暑さ対策を万全にして、外に出よう。窓から見ている事柄よりも何十倍もいろいろなことを感じたり、体験したりできるはずだから……。まず、一歩出てみよう、そうすれば広い世界が開ける。
('08/06/10)


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