6月の怪−尿路感染


 今考えてみると、あの高熱は風邪ではなかった。咳は出るが上気管支炎の症状がなかった。 寒い日のあとのお昼に暑くなっていった日、ただでさえ筋緊張のため汗をかいているのに、さらに汗をかいた。しかし水分の補給を欠いてしまった。ディサービスで、「トイレに行きますか」と言われても行きたくなかった。熱が高く、脈が速い。もうここで異常に気付くべきだった。尿意があっても尿が出なくなった。尿管の先の方が痛い。出てもたらたらとであった。しかも茶色い。あるいは尿意が来ると反射的に即座にすべての尿が出てしまう。失禁である。四六時中おむつを履いて過ごした。人間としての尊厳が崩れていくのを感じた。泌尿器科クリニックに連れていってもらって薬を服用し、水分を十分取って回復に向かった。尿路感染になりやすい頸椎損傷の友達に聞いたら1日水を2500t以上飲んでいるとのこと。これからますます暑くなる今、熱中症と共にこうした理由でも水分補給しなければならないと実感する。



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