『座敷わらしになりなはれ』


 いつか書いた内容ですが、昔から大きくて繁盛している商家には座敷牢があって障がい者がとじこめられていたと年寄りから聞いていました。この「障がい者のいる家は栄える」というあやふやな法則をグーグル検索にそのままかけると意外にもいっぱい出てきました。そうした子供が生まれるとその子が一生困らないようにと、家族全体ががんばって仕事に励む結果、家が栄えていくようです。その結果、そばから見て障がい者が「福」を呼び寄せていると見えるわけです。「この子より一日でも長生きしたい」という障がい者の親の願い、それはもしかして健康な人生を親が全うして働き続けられ、ひょっとして大きな益を残す要因となるかもしれません。家族は、医者になったり福祉関係の仕事に就いて、世間体の悪い表には出したくない、この子のもとに結束していくケースもみられます。そのことゆえに態度が低姿勢になり商売人としても成功していきます。ですから、わたしは先天性でも後天性でも障がいを負った人にいうのです、「その家の『座敷わらしになりなはれ』」と。



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