「秋分の日、春分の日」


 秋分の日はお彼岸の入り、晴れても夏のような蒸し暑さはなく、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、ようやく涼しい秋本番を迎えます。昼夜間の長さがほぼ同じ春分と秋分の日は同じ位の気温であってもいいのですが、実際には秋分の方が11〜14℃(平年値)も高い。秋分の日照時間が春分より少ないのです。このことは春分は冬の、秋分は夏の名残があるためです。秋分の日のころ、20℃位は涼しく感じますが、春分の頃はこれでも随分暖かく感じるものです。寒さ、暑さの感覚は、日中は日射の強さにもよりますが、気温だけでは決まらないようです。人間には順応性があり、ある程度習慣になるとそれに対して感覚は鈍感になります。また、多少の変化では暑さ、寒さも感じられなくなる性質があります。寒さに慣れた春分の頃は15℃位でも暖かく感じ、暑さに慣れた秋分の頃は20℃位でも涼しく感じるのです。


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