「相模原殺傷事件」をどうみるか」


この事件は、相模原で福祉施設に刃物を持った若者が侵入し、施設内で19名が死亡、26名が重軽傷を負った、というものです。 容疑者は、「障害者がいなくなればいいと思う」という主旨の供述をしていたと報道されています。この容疑者は、麻薬を使い、事件を計画的に、また、国の中枢の人物に趣意書を送り付けてもいたからして全く許せません。それで思い出したのは、1967(昭和42)年8月7日、生まれてから27年間、心身障害で寝たきりの息子を父親が絞殺し、心中を図った事件です。この事件に同情して、減刑嘆願運動を行った。その結果、父親は心神喪失を理由に無罪となりました。その頃の障がい者団体、「青い芝の会」は、全く違う考えを示していました。「介護疲れなどを理由に心神喪失が認められるのならば、障害者にとって生存権の危機である」、と。日本の社会の心の奥底に変わらない考えが残っていないか不安です。

 


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