「ある待合室での会話」
病院で順番を待っていたら、「ばあばと同じ靴はいてるよ」とわたしのはいていた婦人物のマジックテープで固定する靴を指していう声。娘さんに連れられた80才超えたくらいのおばあさん。こんな靴で共通点を見出されるとは……。「今、先生に手紙を書いてもらっているんですよ」とのこと。手帳を出して、「ばあば、眼科にも、内科にも行かなきゃね」と忙しそう。聞けば、緑内障で両目が失明寸前、右眼がやっと見えるけど、それを維持しなければと、大変らしい。内臓は?と訊くと、「ダメなんです、だから、内科にもいくんです」との答え。そりゃそうだ、愚問でした。その娘さんは、お父さんとそこにいるお母さんと弟さんの3人を介護して、介護うつで精神科にかかっているという。いやー、大変だなあと思うけど、このようなケースは多いのだろうと考える。まさに家族の介護で重荷を負っている人を社会が支えなければ、家庭崩壊も遠くないのではないだろうか。 |